愛され方を忘れた少女第二十幕【ツイステ】 (ページ49)

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苦しい夢を見ました。ページ49

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＿＿＿『この…っ、疫病神が！！！！』

パッと場面が変わった。
私の目の前には、顔を真っ赤にした、男の人。見たことある気がするけど……もうどこの家の人か分からないや……。

『“呪いの子”と言われていたお前を哀れに思い、引き取ってやったのに、なにをしてくれた！？』

『ごめんっ……なさい……』

『うるせぇ！！！出ていけ……もうこの家に入ってくるなぁ！！』

彼の後ろには震えながらお互いを抱きしめ合う、2人の女の子(顔立ちからして姉妹だろう)がいた。父親の怒号を怖がっているのか、それとも私を恐れているのか…………。

こんなことばかりだ。
行く家行く家に不幸をもたらし、迷惑をかけ、酷い時には誰かが死ぬ。いつの間にかこんな体質になってしまった。

始めのうちはたまたまだろうと、自分でも思っていた。
この体質がなくとも、迷惑をかけないようにと、勉強も、スポーツも、芸術も、家事も、求められることも…………全部全部頑張った。

それでもついてくるのは、最悪の結果ばかり。多くの家にタライ回しになるのは嫌だと感じた、幼少期の私。
いつか、どこかの家族に認めてもらえるようにと必死になっていた。

『返してっ！！私たちの子どもを返してよ！！！』

『何よりも大切だったのに……っ』

でも、“あれ”がきっかけで私は気づいてしまった。
どれだけ頑張っても、何をしても、私は誰の何の役にもたてないと。私はお荷物どころか、みんなを地獄に落とす悪魔なのだと。

孤児となって数年経つ頃には、私は誰にも引き取ってもらえなくなっていた。

『最悪。あの子、ずっとここにいるんですけど〜』

『そりゃあ、あんな不幸体質、どこの家も欲しくないでしょう』

『あーあ。早く独り立ちしてくれないかな〜。学校の費用だって園から出てるんでしょ？』

『他の子も出してるからさ。まあ行事事には一切出してないけど』

『園長マジ？ちょーウケる』

職員室から聞こえる声を、私はよく一人で聞いていた。
私を目の上のたんこぶとしか思っていない、職員たちの愚痴を下品な笑い声と一緒に聞いていた。

学校にも、孤児院にも、私の居場所はない。高校を出たら誰もいないところで一人で過ごすつもりでいた。

私がいなければ、みんなきっと……笑顔で生きられるはずだから。

目が覚めた時、ルーク先輩が近くにいた。どうやら魘されてたみたいで……。
なんでもないと返し、2人と映画を見ることにした。