悠久スターライト！ ページ43
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No side
「リリア様！！！！！マレウス様のお姿が見えないのです！！！！！」
シルバーに続き、リリアの部屋へとやって来たセベクは、何デシベルあるか分からない大声で言った。
「うるさい、セベク。大声を出すな」
「シルバーの言うとおりじゃ。わしの耳もまだそこまで遠くなっとらんわ」
「し、失礼しました！」
頭を下げたセベクは軽く咳払いをすると、事情を話し始めた。
「昨日の騒動を受け、マレウス様になにかあってはいけないと思い寮内の見回りを強化していたのですが……先程マレウス様のお部屋にうかがったところ、お姿がなく……！」
「どうやらセベクは10分おきにマレウス様の部屋に見回っていたようで……。逆にご負担を与えるから、ほどほどにしろと止めたのですが」
「なんだとシルバー！もし再び敵襲があり、マレウス様が狙われたらどうするつもりだ！！」
「落ち着けセベク。昨日も説明したが、“嘆きの島の番人”は我らの敵ではない。奴らは誰の敵でもないかわり、誰の味方でもないんじゃ。生きとし生けるものすべてに平等であり、無慈悲な奴ら……とも言える」
マレウスの護衛にいつも大袈裟についているセベク。そんな彼だから、今見えない主の姿を誰よりも心配しているのだろう。
「……セベク、親父殿もこう言っている。不必要に気を張りすぎると、本当に必要な時に動けなくなるぞ」
「ぐっ……そんなことはお前に言われずとも分かっている！だが、僕はマレウス様の護衛を任された者の責任として！！！」
「そう心配せずとも、あやつなら気まぐれに夜の散歩に出ただけじゃろう。行き先には心当たりがある。様子を見てくるゆえ、お前たちは先に休むがよい」
「「はっ！！／はい」」
怪我をしたと聞いていたが、2人はいつもと変わらず、元気に返事をした。
安心したリリアは2人が部屋を出るのを見届けると、ふっと部屋から姿を消した。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年3月18日 11時
