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「素晴らしいと言えば……今、私たちの周りに立つ建築物もとても美しいね。この特徴的な柱は、『英雄の国』の遺跡にあったものと似ているが……」
「大昔、嘆きの島は『英雄の国』の一部だったんだって。この『旧市街』に残る建物は、その当時の名残さ」
「なんと!ではこれらの建物は遺跡そのものということかい!?実に素晴らしい保存状態だ」
「たしかに、大分綺麗に残ってるし、貴重な歴史的建造物なのは間違いないみたいですね」
遺跡は昔の文明を知る上で、とても重要になるものだ。建造物に使われている資材、建築法、内装によっては当時の様子を事細かに知ることが出来る。
「島の真ん中にある、大きな白い柱はなに……かな?」
「あれは君らが入ってきた嘆きの島の入り口『オケアノス・ホール』から繋がる、『S.T.Y.X.』本部。あの柱は、この嘆きの島を貫いてずーっと下まで続いてる」
「『ずーっと下まで続いてる』?」
どういうことだろ?私たちが立つ、この場所の下にはおっきな地下が続いてるってこと……?
「あの柱の下には、たくさんの
僕みたいになりたくないならね」
「オルト、くん……?」
彼は凄く哀しそうに目を閉じた。
『僕みたいに』……もしかして、オルトくんがロボットの体なのには、『嘆きの島』の地下に関係があるの?
「……ムシュー・お人形?どうしたんだい?」
「なんでもない。とにかく、この島には危険な場所も多いから、観光気分でウロウロしちゃダメだからねっ!さ、もう行こう。僕のあとについてきて」
さっきの表情からは一変、オルトくんは変わらぬ明るい声で私たちを先導する。
大人しく彼に着いて行く中で、彼の背中を見ていたけれど、あの時のような哀しい雰囲気はない。
__さっきの
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作者名:紅葉 | 作成日時:2023年3月18日 11時