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「誰かが嘆いている……」





夢を見た。
雲の上から下界を見つめる女性は、くすくすと笑いながら言う。





《ゲームオーバーのようね。どんな変化球も通用しないんだから》





《そうかぁ。フフフフフッ、きっとあいつにも弱みがある。誰にだって一つや二つはあるだろ。ワンダーボーイにもな》





青く燃える髪を持つ男は、ある壺を女性に押し付け、彼女の耳元で囁く。





《ワンダーボーイの弱みを探ってきてくれよ。ご褒美はすごいぞ…お前がのどから手が出るぐらいに欲しがってるものだ。

そうさ自由だ》





「それは、本当の自由なの?」





彼女の欲しいもの、『自由』のために嫌なことをさせるなんて……どっちにしろ、弱みにつけこむのはよくない。


__ああ、この人もまた自分のことだけを考えている。



___
__
_



ゆっくり目を開けた。
眩しいほどの光と共に視界に入り込んだのは、夢と同じ、青く燃える炎の髪だった。

「き、君らさあ、リアルはゲームと違って気軽に生き返れたりしないんだから……あんまり無茶な真似はしないほうがいいと思うよ?代理とはいえ、ボスが拙者じゃなければ、みんなまとめてあの世行きでしたぞ」


……本当に、イデア先輩が“嘆きの島の番人”……………。
目の前の彼を見て、事実を飲み込むと同時に私は辺りを見渡した。

「すごい…………海の中に、街が……!」

「ああ……私たちは本当にたどり着けたんだね。





嘆きの島に!」

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作者名:紅葉 | 作成日時:2023年2月26日 11時

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