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Lou side
「紹介ムービー？」
「席にかけて、前方のスクリーンを御覧ください」
イデアにより促され、俺たちは1列に座席に座る。彼はそれを確認すると、ピッとリモコンのボタンを押した。
《館内では映像の撮影、録音は規定により禁止されています。映像の途中でご気分が悪くなった方は、当館スタッフまで遠慮なくお知らせください。
『魔法』＿＿それはかつて“奇跡”と呼ばれた超自然エネルギー
イマジネーション その果てしない可能性
しかし 大きな力はときに災いをもたらす
―― このままでは いけない ――
魔法のある豊かな暮らしを守るため
魔法技術研究所『S.T.Y.X.』は様々なデータを世界中から収集･分析
魔導技術の安定運用 魔力解析 遺跡･魔法石の保全
ブロット排出量削減 オーバーブロット経験者のケア
魔導災害予測システム ファントムのデータベース化
その他さまざま非営利活動を通し、世界中の皆様を陰からお支えします
魔法士の安全な暮らしと活動を守る
魔法技術研究所
『S.T.Y.X』》
『S.T.Y.X.』による、この建物内や様々なデータを取り上げていた紹介映像が流れたあと、なんとも言えない雰囲気が漂う。
「……はい。ムービーは以上となります。ご清聴ありがとうございました」
「なんだか、ものすごく安いイメージＰＶだったわね……」
「まー、噛み砕いて言うと……『S.T.Y.X.』は不確定要素満載のミラクルパワー“魔法”を安全に運用するためにいろいろやってる。中でもブロットに関しては、まだ人類が粘土板に文字を掘ってた頃から飽きずに研究し続けておりマス」
「もう少し詳しく『S.T.Y.X.』のことを知りたい来館者のために……約2時間半のドキュメンタリー映像も用意しているよ。再生しようか？」
「ありがとう、もう十分だ」
そんなMV作る時間があるとは、ここの奴ら意外と暇なのも多いのかもな。作ったとしてもその来館者はごく一部だろうに。
「『S.T.Y.X』は古来よりブロットの研究をし続けている。そして、俺たちはオーバーブロット経験者……」
「となれば、お前がなにをしたいのかはだいたい察しがつく。で？『S.T.Y.X.』の所長代理サマは、俺たちにどんな恐ろしい実験をするつもりなんだ？」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年2月26日 11時
