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「なんにせよホリデーを温かく過ごしたいのなら火の番は必須。毎日暖炉に薪をくべるだけで寒さや食糧の心配をしなくて済む……一石二鳥じゃありませんか。なんという好条件!」
「確かに、今までの無茶振りに比べれば超楽チンな気がするんだゾ!」
「そうでしょう?こう見えて私、とても優しいので」
「逆に今までのが無茶ぶり過ぎた気がしますけど……」
リドル先輩の首はね事件にマジフト事件の犯人探し、アズール先輩の悪徳商法止め………今年の学園一の功労者だと思うんですが??
「ああ、そうそう。私が長期不在にするのでこれを君たちに渡しておこうと思ったんです」
そう言って学園長は黒いシンプルな文明の機器を取り出した。
「あ、スマホじゃん」
「遂に私の手にも
「なにか緊急の用事があればこのスマホで私に連絡してください。こちらはあくまで緊急連絡手段です。マジカメ巡りなどに没頭して通信制限を受けたりしないように」
「はぁい!」
というか、今までよくスマホ無しで生活してきたよね、私!スマホ依存やらネット依存が横行する中で!!
「さて、私は生徒たちをご実家へ転送する仕事がありますので。後は任せましたよ、2人とも。
そうだ、出かける前に南の国の観光パンフレットもチェックしておかないと。ああ忙しい忙しい……」
なんだかんだちゃんと教育者してると思ったら、最後のつぶやきで全部台無し。そういう言い訳は1人の時に言った方がええですよ……。
「にゃっはー!コレでホリデーはご馳走がたんまり食えるんだゾ!」
「スマホがあるということは、図書館にいつも行かなくても調べ物が楽チン……!?」
「な〜んか体良く丸め込まれた気がすんな……ま、お前らがいいならいいけどさー」
我ながらチョロいなとも思ったけど、よくよく考えたら火の番するだけで食べ物もスマホも貰えてすんごいラッキーだよね。
「はいはーい!そこの君たち道のど真ん中に突っ立ってないで、どいたどいた!」
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年9月5日 19時