御機嫌バケーション！ ページ6
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鏡の間は実家に帰省するであろう生徒が、大量の荷物を抱えて闇の鏡の前に並んでいる。
「もう帰省する生徒でいっぱいだな」
「はは、なんかみんなそわそわしてんねー。さて、学園長は……っと」
目的の人物を探すため、私たちは周りをキョロキョロ見渡す。学園長って黒っぽい服装だから、この暗い鏡の間で見つけにくいかな…？
「みなさん、闇の鏡に目的地を告げたら荷物をしっかり持ってください。転送中に手を離してしまうと、荷物だけ別の場所へ飛ばされてしまいますからね。絶対に無くしたくないものは購買部から宅配便で発送してください」
学園長の声がして、そちらを向くと南国風のアロハシャツに短パンという、いかにもバカンスレッツゴーの格好した不審者……学園長がいた。
「「「「めっちゃ浮かれてるーーーー！！！」」」」
何故！？何故に顔のマスクはそのままなんだ！？通報されても知らないぞ！？
「この真冬にアロハシャツって！南国に遊びに行く気満々じゃん」
「浮かれてる気持ちを隠す気がゼロすぎるな」
「なんなら自分から出しにいってるよね浮ついた心」
「やいやい、学園長！話があるんだゾ！」
グリムがやいやいと学園長に話しかける。
「おや、みなさんお揃いで。どうしたんです？」
「あの、私とグリムの休暇中の食糧の補給について考えてますか？」
「えっ、休暇中の食料……？
あっ、あぁ〜〜。もちろん考えていますとも。当たり前じゃありませんか。ちょうど、食糧の配達をネットで手配するところだったんですよ〜」
「やっぱ考えてねぇじゃねーか！」
隠してもダメだ！一瞬貴方の頭の上に『は？』という文字が私には見えましたからね！
「もしかしてコイツ、ユウの親のことも全然調べてないんじゃねぇのか？」
「失敬な。ちゃんと調べていますとも。この冬季休暇は、まだ行ったことがない南の地域へ調査範囲を広げようと思ってるんですよ。私、とっても真面目なので」
「調査に向かうって格好じゃない気するけど……」
「そうだそうだ！思う存分休暇を満喫する気なんだゾ！」
今回はグリムに同感よ。格好から完全に遊ぶ気満々だもの。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2022年9月5日 19時
