▶︎ ページ13
.
「小エビちゃんとアザラシちゃんは、学園に残るの?」
「はい。今年はとりあえず待機組です」
「だったらオクタヴィネルに遊びに来なよ。遊んであげるからさぁ」
「それはいいアイデアだ。楽しいホリデーになりそうですね。いつでもお待ちしておりますよ。では……」
「「フフフ……」」
不敵な笑いを残していったリーチ兄弟は私たちに背を向け、鏡の間を出ていった。
「ううっ……アイツらの顔を見ると、モストロ・ラウンジでの過酷な労働を思い出されるんだゾ」
「確かにあれは辛かったな」
「思い出させんなよ」
「自業自得じゃなかった?」
まあ、お手伝いが大変で過酷そうだったのは認めるけど、元々は原因は君達だぞ??そこ大事だからな??
「……さて。だいぶ生徒が少なくなってきたな。僕たちもそろそろ帰るとするか」
デュースに言われ周りを見ると、最初とは明らかに人が減っていた。ほとんどの人が帰省したのだろう。
「そーね。そうだ、ユウ。さっき学園長にスマホもらったなら、マジカメのID交換しとこーよ。連絡とれたら色々と便利だし」
「そうだな。僕とも交換しよう」
「りょーかい。マジカメ入れるからちょっと待ってね」
学園長から貰ったスマホにマジカメをインストール。シャシャッとID作成をして、2人と連絡先を交換した。
「よし、登録登録……っと。冬休み中、寂しくなったら連絡してきてもいいぜ〜」
「ありがとう。そうするね」
「っ……。冗談だっつーの」
「なんならおはようコールしてあげよっか?」
「遠慮しときます!」
長期休暇って絶対昼夜逆転する人続出するからね。私が6時に鬼電してやるよ!!
「こいつのくだらない冗談はさておき、なにかあったら遠慮なく連絡してこいよ。
じゃあ、母さんが待ってるだろうから僕ももう行く。ユウ、グリム、良いホリデーを」
「んじゃ、オレも行きますか。ユウ、グリム、また来年な〜」
「あけましておめでとう!」
「まだ早ぇよ!」
エースは今年のツッコミ閉めをしたあと(?)、ブラザーで闇の鏡の中へと入っていった。
………やっぱり、帰るお家があるっていいよね。
「いつも騒がしすぎてウゼーと思ってたけどいざいなくなってみると……。
アイツら本当に毎日ウルセーってことがよくわかるんだゾ」
「いや寂しいんじゃないんかいっ!」
友達を見送ったところで、私とグリムはホリデーのご馳走について話しながら、オンボロ寮へと戻った。
29人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅葉 | 作成日時:2022年9月5日 19時