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No side
ユウが倒れ、その場にいた全員が彼女に駆け寄った。
「ユウ！？どうしたんだ！？」
「ふな゛〜〜〜っ！起きるんだゾ！」
「お前ら落ち着け！！」
てんやわんやのデュースやグリムをジャックが収める。すると、彼女を抱き寄せたエースがユウが何かを呟くことに気がつく。
「痛い………………」
「！」
小さかったが、確かに聞こえた。ユウの、苦しむ声が。
「ユウ……？おいユウ！！」
「見せてください」
頭を抱えるユウにエースは大声で呼びかけるが、彼女は苦しみもがくばかりで、返事はない。そこへ落ち着いた様子のアズールがユウの容態を確かめるように跪く。
「熱はない。それにここまでの反応からして、気圧からの偏頭痛というのも考えにくい」
「一度、学園の方に連れていった方が良いのでは？」
学園内の保健室に行けば、なんとかなるかもしれない。「んー？」方向性が決まろうとしていた時、フロイドが何かを見つけた。
「ねえねえ、小エビちゃんの首んとこ、なんか光ってね？」
「「えっ？」」
「失礼しますよ、ユウさん」
アズールはユウの顎をクイッとあげると、フロイドが見つけた光る何かを見つけた。
＿＿あの鍵だった。
「これは……」
「鍵が、なんで……？」
「理由は分からねえが、ユウが倒れて鍵が光ったタイミングが合致した。何もないっていう方が考えづらいんじゃないか？」
「ハッ！それなら学園長がなんか知ってるかもしれないんだゾ！」
グリムは思い出したように言った。
元々彼女が持つ鍵は、異世界人が魔法が使えるようになったきっかけ。もしかするとユウと繋がりがあるやもしれぬとクロウリーは、そのつながりとやらを調べている…………はずだ。
「望み薄……って感じだな」
「それでも学園長に聞いてみるしかねえだろ！」
「ユウ………………」
普段からあんな感じの学園長だ。あまり過度な期待はしていないが、少しでも可能性があるなら……と、彼らはクロウリーの元へと走る。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2022年8月29日 20時
