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安息マイホーム! ページ11

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今回の騒動のお礼(というか、アズール先輩が貸しを作りたくなかったからかもしれないけれど)として、寮内を少し綺麗にしてもらい、私の私服と寝間着を渡してくれた。ラッキーだね!!!
ちなみに先輩がオーバブロットしたことは、きちんと学園長に伝えた。すごーーーく面倒くさそうにしてたよ。

なんやかんやあったが、日が沈んだ頃、私たちはアズール先輩から返してもらったオンボロ寮へと戻ってきた。

「ボロいけど、やっぱり落ち着く」

ココが異世界でのマイホームだもんね。そう考えていると、またあの蛍のような黄緑の光が見えた。

「……おや、戻ったのか」

「ツノ太郎!」

「まさかアーシェングロットとの勝負に勝利するとは。
ボンヤリしていそうに見えてお前もなかなかに曲者らしい」

あれ、今ツノ太郎にバカにされた……?
そんなことないよね!!無視しとこ。

「ツノ太郎のアドバイスのおかげだよ。ガーゴイルの話がいいヒントになったんだ〜」

「僕の?……別に助言したつもりはなかったんだがな」

私もあの話がヒントになるとは思わなかった。でも、彼の話が解決の糸口になったのは、確かな事だ。

「ふふ。なんにせよ、この庭が騒がしくならずに済んで良かった。すまし顔のアーシェングロットが悔しがる顔はさぞ見ものだっただろう。僕も見てみたかったな」

「めちゃくちゃ面白い顔と声してたよ。今度あんな顔したら動画撮っとくね」

そう言うと楽しそうに笑うツノ太郎。すると、オンボロ寮前の門を見ると、シュンと真顔に戻った。

「……ん。僕はそろそろ自分の寮へ戻った方が良さそうだ。ではな。おやすみ」

「うん、おやすみ〜」

ツノ太郎が消えた直後、こちらに2人の生徒が走ってきた。
……なーんか、見覚えあるなぁ。

「……どうだ、いたか?」

「いや、こちらにはいらしていないようだ」

「西校舎のほうかもしれないな」

「ああ、若様……何故、供も連れずに外出など!貴様が目を離すからだぞ、シルバー!」

「赤子じゃないんだ。大袈裟に心配しすぎだと思うが」

「なにかがあってからでは遅い。1秒たりとて気を抜くな!!貴様、若様の護衛という大役を仰せつかっている自覚があるのか!?人間でありながら、若様やリリア様に育ててもらったご恩を忘れたとは言わせんぞ!」

「はぁ……。それとこれとは関係ないだろう……」

なんか難しそうな会話をしていった2人は、また走り出し、どこかへ行ってしまった。

「若様?迷子探し中かな?」

そんなことを考えながら、早く寝ようと私は寮の中へと戻った。

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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年8月29日 20時

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