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っと、こんなことをしている場合じゃない。仕上げは彼にお願いしてるんだから。
「デュース、今がチャンス!」
「落ち着け……よく狙うんだ…俺が知る中で一番大きく……重たい……いでよ、大釜!」
デュースがそう言うと、逃げたエースを下敷きにした大釜が怪物の頭上に現れ、そのまま頭に落ちた。
大釜はエースの時と比じゃないくらいに大きく、怪物も身動きが取れないみたい。
「やった!上手くいったんだゾ!オイ、見てみろユウ!バケモノがさっきのエースみたいに大釜に押しつぶされて、ペッタンコになってるんだゾ!」
「さっきのオレみたいってのは余計だっつの!ったく、今日はマジでいいとこナシじゃん」
「風魔法はナイスタイミングだったからいいじゃん」
「あいつが足止めをくらっているうちに魔法石を取りに行くぞ!」
私達は怪物の横を通り過ぎ、鉱山の中へ入っていく。
「!? マデエエエエエ!!!!」
私達は先程通った道を思い出しながら、坑道を進。そしてキラキラ輝く石が、そこにあった。
「あったぞ!魔法石だ!」
そう言ったデュースの先には青と赤、緑のグラデーションの美しい石があった。
これが魔法石……初めて見た。そりゃそっか、私の元いた世界にこんなものあるわけないもんね。
「ザワルナア゛アアアアアアアアアアア!!」
デュースはパッと一つを手に取り、それを確認したすぐ後に入り口に戻るも、怪物はあの大釜を押しのけようとしている。
気のせいだと思いたいが、さっきよりも動けているような気がする。
「やっば!アイツもう重しを押しのけそうじゃん!」
「オイ、デュース!もっと何か乗せるんだゾ!」
「えぇっと、重たいもの!?い、いでよ!大釜!あとは、えーとえーっと、大釜!?
それから、大釜っ!」
「まさかの大釜三連続!?」
デュースの大釜三連続攻撃のおかげで怪物は再び地面と顔がこんにちはしている。
そのおかげでまた時間が稼げそう。
「お前、大釜以外に召喚レパートリーないわけ!?」
「もっと大岩とか10tトラックとか出してよ!なんで大釜限定!?」
「うるせえな!テンパってんだよ俺だって!」
「魔法石はゲットした!ずらかるんだゾ!」
「了解っ!」
グリムが先に駆け出し、私達はその後を一斉に続いた。
「オ゛レ゛ノ……ダアアアアアアア!!!」
背後から恐ろしい叫びが聞こえるも、私達は振り返ることはせず、鉱山の出口を目指しひたすら走った。
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年5月11日 22時