不本意トラベル! ページ36
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闇の鏡を潜り抜けた先は、鬱蒼とした暗い森の中。所々から聞こえる動物の声が不気味に聞こえる。
「ここがドワーフ鉱山……一昔前に魔法石の発掘で栄えたらしいが……」
「うぅ……なんか出そうなんだゾ……」
「へへへへ、変なこと言わないでよ!」
「お前らビビりすぎ」
こんなに薄暗いなんて聞いてないよぉ………。エース達がいなかったら、多分私この辺で屍になってた気がする。
しばらく歩くと、ウチのオンボロ寮のといい勝負が出来そうなくらいのボロボロの家を見つけた。
「こんばんは………って、空き家か。荒れ放題だ」
デュースの後に続いてすり足で入った。デュースの言った通り、中はかなり荒れている。
「ぷわっ!顔に蜘蛛の巣が…ぺぺっ!」
「なんか机とか椅子とか全部小さくねえ?子ども用かな?」
「全部で7人、結構多いんだね」
「ドワーフ鉱山が栄えていた頃はさぞ賑やかな家だったんだろうな」
「ここでこうしててもしゃーない。魔法石があるとすれば炭鉱の中だよね」
「ここに住んでいた人が炭鉱で働いていたのだとしたら、きっとこの先にあるはず」
私達三人が家を出て再び長い道を歩くと、木や大きな石で覆われた鉱山の入り口を見つける。
「こ、この真っ暗な中に入るのか!?」
「ビビってんのかよ。だっせー」
「なぬっ!?ビ、ビビってなんかねーんだゾ!」
「お、おうおう!だ、だ、誰に言ってんだ!」
「いやお前に言ってねーし。なんなら足ガタガタじゃねえか」
こ、これはアレさ!武者震いってやつさ!!!ね!?
隊長と名乗るグリムの手を掴みながら、私達は炭鉱の中へと足を進める。夜も深いし、月の光が入ってこないため、外よりもずっとくらいと思っていたが、存外そんなことはなかった。
それは魔法石があるため。壁や頭上には色んな色の綺麗な宝石がたくさん埋まっている。
「こんなにたくさん……。これ、全部魔法石?」
「みたいだな。でもこれだけあんのに、閉山する理由なんてあるのか?」
私とエースが疑問を抱き、唸る。
「待て!」するとデュースの声で足を止める。
「んだよ」
「なにか……いる!」
「ぴゃっ!?」
「ひっ!?」
目の前からスゥッと現れたのは、オンボロ寮に似たゴースト。
「ヒーッヒッヒ!10年ぶりのお客様だあ!」
「ゆっくりして行きなよ。永遠にね!」
「いやぁぁぁぁああああ!!」
「おまっ、うるせえ!」
私の声を合図かのようにゴーストたちは一斉に襲いかかってきた。
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年5月11日 22時