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「ギャッハッハ!コウモリが水鉄砲くらったみたいな間抜けな顔してるんだゾ!オレ様の手にかかればもう一度学校に忍び込むことくらいチョロいチョ……って、なんなんだぞその目は」
グリム目線からの私はというと、おもちゃを買ってもらった子供みたいにキラキラしている。
「グリムー!良かったね、また会えたね!運命かな!?可愛い猫との運命の赤い糸繋がってるのかな!?」
「あ゛ー!何回言ったら分かるんだゾ!オレ様は猫じゃねー!!」
グリムを鷲掴みにし、ほっぺでスリスリして幸せな私とは裏腹に、めちゃくちゃ私と離れたがっているグリム。
だって可愛いんだもんっ!可愛いものはスリスリ不可欠でしょ!!
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「そういえば、どうしてグリムはそんなにこの学校に入りたいの?」
グリムの雨で濡れていた体をフカフカのタオルで拭きながら、そう尋ねた。
「単純な話なんだゾ!オレ様が大魔法士になるべくして生を受けた天才だからなんだゾ!」
「じゃあ私はグリムとスリスリするために生を受けたんだね」
「何言ってるんだゾ」
私の話に触れることはなく、グリムは話を続ける。
「いつか黒い馬車が迎えに来るのをオレ様はずっとずっも待ってた。なのに………なのに………」
「来なかったわけか」
「ふ、ふん!闇の鏡も見る目がねーんだゾ。だからオレ様の方から来てやったってわけだ」
また、私の来ていた服をはぎとろうとしたのは、新入生に紛れるためだったらしい。
でも、私とグリムとじゃ体格差がありすぎるし、どのみち無理な気がするけど……
「オレ様を入学させないなんてこの世界の損失だってのに、ニンゲンどもはわかってねーんだゾ」
「その自信はどこから湧いてくるの」
ちょっぴりグリムに呆れていると、偶然、グリムの鼻に雨漏りしてきた水がかかった。
「に゛ゃッ!つめてっ!天井から雨漏りしてやがるんだゾ!ふぎゃっ!また水が降ってきた!オレ様のチャームポイントの耳の炎が消えちまう〜!」
耳の炎を必死に守るグリム。
え、可愛い。
「バケツ探してくるから、グリ厶はどこかしらの影に居てね」
「こんな雨漏り、魔法でパパーっと直しちまえばいいんだゾ。……って、オマエ魔法使えねえのか。ププーッ!使えねえヤツだゾ!」
「じゃあ手伝ってよ」
「やーなこった!オレ様はちょっと雨宿りしてるだけの
む、これは躾のしがいがありますねえ…
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年5月11日 22時