愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ14)

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同室ヴァリアス！ページ14

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門の向こう側にある、木製の建物。ちょっとしたお庭もあるが、生えている木には葉っぱがついておらず、寂しい印象を受ける。寮まで続く石道の途中にはランプがボヤーっと光っている。

近づくと、それはそれはもうボロボロで、学園長の言う通り趣がある………というか、ありすぎる。

「さあ中へどうぞ」

案内されて中に入ると、壁紙は破け、埃は当たり前のように舞い散り、蜘蛛の巣は張り巡らされて、物は散乱している。ザ･廃墟という感じだ。
でも中はそこそこ、というか一人で過ごすのには広すぎるくらい。なんだかちょっと贅沢してる気分。

「ここであれば雨風は凌げるはずです。私は調べ物に戻りますので適当に過ごしていてください。学園内はウロウロしないように！」

「はーい！」

返事をすると学園長はすぐに談話室を出て行く。
それにしても埃っぽい。このままじゃ、まともに過ごすのも難しいので、簡単にお掃除することにした。

運良く、掃除は私の得意分野。とりあえず一番使うであろう、この談話室と自分の寝室、あとは炊事洗濯に使う場所とトイレぐらいは綺麗にしておこう。

「あ、この服どうしよ…」

どう見ても掃除する格好ではない。綺麗な服だし、汚れるのは嫌だけど、だからと言って脱いで掃除するわけにもいかない。
しょうがないと、私はこのまま掃除を始めることにした。
談話室を出た先の物置に掃除道具一式が置かれていた。それらをを手に、談話室に戻ってきた。

それにしてもこの家、だいぶ古びている。所々、床はギシギシいっているし、壁紙も多くの場所を張り替えないといけないだろう。

「まずはガスと水！」

とりあえずガスと水がちゃんと出ることを確認した後、てきぱきと掃除を済ませていった。

再び談話室に戻ると、窓から見えた外は薄暗くなっており、小粒の雨粒か見えたため開けておいた窓を急いで閉めた。
最初は穏やかだった雨がだんだん激しくなってきた。箒で床をはわいていると、首筋に水が落ちてきて、「ひえ！？」という、なんとも情けない悲鳴をあげてしまった。

「雨漏り……？ここも言って直してもらわないと」

そんなことを考えていた時。

「ぎえー！急にひでぇ雨だゾ！」

聞き覚えのある声に後ろを振り向くと、そこにいたのは先程、教師達によって学園の外に追い出されたはずのグリムだった。