軽率タクティクス! ページ32
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私達から逃げ続けるグリムは、学園内に入っていく。
「くそー!ちょろちょろしやがって!」
「へっへっへ!捕まえられるもんなら捕まえてみろ〜だゾ!」
グリムは大食堂にある大きくて、綺麗なシャンデリアに上って、私達を見下ろしながら煽る。
「くっ、シャンデリアに登るとは卑怯だぞ!飛行魔法はまだ習ってないし…。なにか挟んだり、捕まえたりする……」
エースの時と同じようにブツブツと悩むデュース。多分だけど彼、優柔不断な性格だ。
「はっ!そうだ!」いきなり声を出したデュース。なにか思いついたのか、目をカッと開いている。
「何か良いアイデアが……って、おいおい、ちょい待ち!何でマジカルペンこっちに向けてんの!?」
「お前を投げればいいんだ!」
「ええ!?思考回路狂ったの!?」
しかしデュースは手を止めることなく、魔法を使ってエースを浮かせる。
「やめろマジで!」エースの言葉には耳を傾けず、そのまま彼をグリムがいるシャンデリアの方へ投げつけた。私は思わず耳を塞いだ。
「ぎええええええええ!!」
「ふな゛あああ!!!!????」
2人の絶叫が響き渡り、天井に吊るされていたシャンデリアごと落下する。
シャンデリアは粉々に割れ、破片が辺りの床を覆い尽くし、埃もたっている。
「デュース、2人のこと殺す気なの!?」
「はっ!そうだった、捕まえた後の着地のことを考えてなかった……!」
「おっま……バッッッカじゃねぇの!!!!????」
上から落ちてきたエースは埃まみれ傷だらけになっており、デュースに向かって怒号を発した。そりゃそうだよね……。
ちなみにグリムはというと、さっきの衝撃で気を失っている。
「グリムは捕まえたけど、シャンデリアぶっ壊したのが学園長に知れたら……」
「知れたら……何ですって?」
背後で低い声がして振り返ると、そこにいたのは明らかに怒りにオーラを漂わせている学園長。
私はもうダメだ、と悟った。
「が、学園長………」
「あ〜な〜た〜た〜ち〜は〜〜〜〜ッ。一体何をしているんですか!!!」
「ひぃぃぃぃぃぃ!!」
違うんです違うんです!これには、マリアナ海溝……よりは浅いけど!!!それぐらいの理由があるんです!……多分。
「ふにゃぁあぁ………目が回るんだゾ〜〜」
起きろ、起きるんだグリム!!!1人だけ逃げないでおくれーーーー!!!
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年5月11日 22時