検索窓
今日:14 hit、昨日:10 hit、合計:71,185 hit

軽率タクティクス! ページ32

.


私達から逃げ続けるグリムは、学園内に入っていく。

「くそー!ちょろちょろしやがって!」

「へっへっへ!捕まえられるもんなら捕まえてみろ〜だゾ!」

グリムは大食堂にある大きくて、綺麗なシャンデリアに上って、私達を見下ろしながら煽る。

「くっ、シャンデリアに登るとは卑怯だぞ!飛行魔法はまだ習ってないし…。なにか挟んだり、捕まえたりする……」

エースの時と同じようにブツブツと悩むデュース。多分だけど彼、優柔不断な性格だ。

「はっ!そうだ!」いきなり声を出したデュース。なにか思いついたのか、目をカッと開いている。

「何か良いアイデアが……って、おいおい、ちょい待ち!何でマジカルペンこっちに向けてんの!?」

「お前を投げればいいんだ!」

「ええ!?思考回路狂ったの!?」

しかしデュースは手を止めることなく、魔法を使ってエースを浮かせる。

「やめろマジで!」エースの言葉には耳を傾けず、そのまま彼をグリムがいるシャンデリアの方へ投げつけた。私は思わず耳を塞いだ。

「ぎええええええええ!!」

「ふな゛あああ!!!!????」

2人の絶叫が響き渡り、天井に吊るされていたシャンデリアごと落下する。
シャンデリアは粉々に割れ、破片が辺りの床を覆い尽くし、埃もたっている。

「デュース、2人のこと殺す気なの!?」

「はっ!そうだった、捕まえた後の着地のことを考えてなかった……!」

「おっま……バッッッカじゃねぇの!!!!????」

上から落ちてきたエースは埃まみれ傷だらけになっており、デュースに向かって怒号を発した。そりゃそうだよね……。
ちなみにグリムはというと、さっきの衝撃で気を失っている。

「グリムは捕まえたけど、シャンデリアぶっ壊したのが学園長に知れたら……」

「知れたら……何ですって?」

背後で低い声がして振り返ると、そこにいたのは明らかに怒りにオーラを漂わせている学園長。
私はもうダメだ、と悟った。

「が、学園長………」

「あ〜な〜た〜た〜ち〜は〜〜〜〜ッ。一体何をしているんですか!!!」

「ひぃぃぃぃぃぃ!!」

違うんです違うんです!これには、マリアナ海溝……よりは浅いけど!!!それぐらいの理由があるんです!……多分。

「ふにゃぁあぁ………目が回るんだゾ〜〜」

起きろ、起きるんだグリム!!!1人だけ逃げないでおくれーーーー!!!

▶︎→←▶︎



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
183人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅葉 | 作成日時:2022年5月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。