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私は昨日作った“あるもの”を持って、再びグリムの元を訪れた。
「やっと来たんだゾ。それで?見てほしいものってなんなんだ?」
「正確には聞いてほしいもの、かな?」
「ふな!?どうしたんだぞ、その声!」
「へへっ、成功成功」
私は昨日の夜遅くまで何を作っていたのかと言うと、それは変声機である。学園長に渡したメモに、変声機の構造と必要な道具が書いてあり、それを持ってきてもらったのだ。
私は女子の方でも声が高い方だし、男装するならこういうのが必要だと思った。それに機械系統は得意分野に入る。
ちなみに変声機はチョーカーのように首に巻いて使うため、周りに目立つこともない。結構頑張ったよね!
「これでなんとか女子ってバレないといいんだけど」
「でもユウはちっこいから、バレるかもしれないんだゾ?」
「誰か厚底ブーツ持ってませんかー?」
誰もいない虚空の空間に、背丈への恨みを込めてそう言った。
いやさ、身長なんてこれから伸びるし?全然気にしてないし??なんなら今伸ばして見せようか???
「一人で何言ってるんだゾ」
「なんでもないよ。とりあえず、これから学校にいる時はこの声になるから、グリムも覚えておいてね」
そう言って一旦変声機を外し、食卓にありついた。
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ご飯を食べてから最終確認として、鏡の前で身だしなみを整えていると。
「おはようございます、2人とも」
「誰っ!?不法侵入者ですか、このトンカチで頭割りますよ!?」
「そんな物騒なもの朝から出さないでください!」
いやだって、急に現れたらビビるでしょ。
学園長はこういう神出鬼没なところ、早急に治した方がいいと思う、私の心臓と寿命のためにも。
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作者名:紅葉 | 作成日時:2022年5月11日 22時