無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ38)

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〇通じないページ38

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「オリオンの者たちよ。僕は君たちのことをずっと見ていたんだ。君たちがサッカーを汚し続けているのをね」

アフロディはそう言いながら、歩みを進めていく。

「自分のことを神と思い上がっていた僕に、大切なことを教えてくれたサッカーを…君たちは傷つけた。許すわけにはいかない」

指を鳴らしながら進む彼のボールは誰も止められない。

「君たちに負けるわけにはいかないんだ。絶対に倒してみせる。僕の…僕らのサッカーを守るために！」

そして残るはGK1人となった。

「神の鉄槌を、いや、人の怒りを受けるがいい！」

アフロディが羽を広げ、地上へ舞い上がる。

「［ゴッドノウズ・インパクト］！」

「［軍事衛星フォボス］！」

アフロディのシュートはビッグマンを吹き飛ばしゴールした。

合流した彼を初めて知った詩音は純粋にすごい人だと感心をした。

同時に技の仕組みに気がついた。

試合が再開されて、詩音が考えうる悪いパターンに進む。アフロディの［ヘブンズタイム］が通じなくなったのだ。

彼自身も初めての経験らしく珍しく焦りを見せている。

「どうなってるんだ。アメリカ代表の奴ら」

「親分、どういうことでしょうか」

ベンチにいた子文、マネージャー2人、更にはコーチまでもが立ち上がり説明を求める。

監督のことを見ていた詩音は答え合わせ、と凝視した。