無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ16)

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〇言い方ページ16

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「曲がった！？」

『回転のかけ方を少し変えたんですね』

「なんでそんなこと分かるんだよ……」

『？見ていれば分かるものでは？』

そうだった、こいつはそういう奴だった。誰もがそう思わざるを得ない詩音の発言。

クラリオの［ダイヤモンド・レイ］は、円堂に感化されたのか［曲がるダイヤモンド・レイ］となってジャパンのゴールネットを豪快に揺らした。

円堂が練習してきたのは直線の［ダイヤモンド・レイ］対策の技だ。

もちろん敵う訳もなく［ダイヤモンドハンド］にかすりもしなかったボールを拾う。

その顔は、挑戦的な笑みに染まっていた。

試合再開。すぐにボールを失ったイナズマジャパン。

しかし、吹雪がオーバーラップをしていた。スペインゴールへ走っていく彼の行動はスペイン選手の気を引き、アツヤがボールを奪取することに成功する。

すぐに前線へボールを送った。その先には走っていた吹雪が。吹雪からの力強いパスにアツヤがオーバーヘッドで応える。

「「［氷結のグングニル］！！」」

意表を着いたそのシュートは流石のアロンソも予測しきれず必殺技を使う間もなくゴールを許した。

とうとう一点を返すことが出来たイナズマジャパン。だが……

「これぞまさに日本代表を絶望から救う一撃！いやぁ～あっぱれです！」

『ですが、あのシュートは使用者への負担が重たいようです。吹雪さんはお役ごめんということですか』

「おい！その言い方はねーだろ！」

『？何か間違ったこと言いましたか？』

あくまでも詩音にとっては純新無垢な言葉だった。あの足で今後とも世界との試合に出ることは難しいと。

しかし、言い方があるだろう。剛陣たちが言いたいのはそういう事だが、案の定、彼女には響かなかったようだ。