鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

強力な助っ人 ページ25

視界の端に私が見えているのかは分からない……けど、


宇髄さん程の人なら、それこそ音や気配で私のことに気付いていそうだが…………全然こっちに見向きもしない。


……え？え、どうしろと？素通りしちゃっていいの？大丈夫！？


赤い化粧の施された予想よりずっと端正な横顔をガン見しながら、これ気付いたら私結構ヤバい……




「よもや…そんな所で何をしているのだ！」

「ぎゃッ…！？！？！」




そう思っていた矢先に、突然真横から張りのある大声が飛んできて、今度こそ心臓が止まる。


思わず角の柱を咄嗟に掴んで、勢いよく振り向くと………


「えっ……あ……………どなた…？」

「……む、そうか………俺は煉獄！煉獄杏寿郎だ！」


思考と意識を飛ばしかけ、我に返って慌ててすっとぼけた私に……“炎柱、煉獄杏寿郎”が、口を開いた。


何かに気付いたように感慨深げに、というかどう見ても意味深に「そうか」と呟いてから、


堂々とした立ち姿で名前を言った煉獄さんに、私は無言で息を呑む。


いや、なんかさ……この数時間で、柱の遭遇率高くね？


そう思ってから、そういえば宇髄さんもいると思って横を見ると、いない。


「えっあれっ？」


長く伸びる廊下には誰もいないし、さっきまで宇髄さんが座っていたハズの場所にも、誰もいない。


思わずその場所まで駆け寄って、上下左右を見回す私に、角から顔を出した煉獄さんが不思議そうに顔を出した。


「何を探しているんだ…？」

「いや…さっきそこに、人が………柱の、派手な…」

「柱の派手…？……宇髄のことか？」


柱の派手って何だ。動揺しすぎでしょ、いや仕方ないけど。だって今目の前にいるの、あの柱だもん…


知ってるよ、煉獄さん無限列車の時…………いや思い出すと悲しくなるしボロを出しそうだから止めよう。


「宇髄…？いや、知らないけど………それより、誰か人見てない？」


急カーブの如く話の話題を変えると、煉獄さんは「見ていない」とキッパリと言った。


「…何故人を探しているのだ？」


心なしか、スッと目を細めて私を見つめる煉獄さんの顔を見つめ返し、


……あれ？これって、もしかしなくても私疑われて……るね！きっと。


うへぇと内心慄きつつも、鬼ごっこのことを簡潔に説明して、分かってもらおうと___


「___そういうことか！……お館様のお屋敷ですることとしては少々あれだが……ふむ、まぁ」

「……？」




「宇髄なら多分、屋根の上にいるぞ」

「えっ！？」

「は？」

宇髄さん→←普通に捕まえる

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