普通に捕まえる ページ24
「………………」
お互いの間に、タイミングの悪さが生んだ微妙な沈黙が流れる。
どうしよう、このまま甘露寺さんが「何事も無かったよ」って押入れに隠れたら、見逃そうかなとも思ったけど……
「…………………」
体制変わらず、やってしまったという顔のまま私を見上げて動かない。
この予想もしなかった気まずさ、どうしろって言うんだ。私が言えばいいのか!?
「……ねぇ、甘露寺さん?」
「は、はい……何でしょうか…」
静寂を破って私が呟くと、観念したようなくぐもった声が返ってきた。
スタスタと部屋の中に足を踏み入れ、驚いたような不思議そうな顔をする甘露寺さんの前で、立ち止まる。
「間が、悪かったよね」
ポン、とそっとその華奢な肩に手を置いて、1名を捕まえた。
「____あとは、1、2……4人かぁ…」
捕まえた甘露寺さんには、取り敢えず私の部屋の前で待機してもらうことして、捜索を開始してから暫く。
一体どこにどう隠れたのか、鬼ごっこの参加者は全く見つからない。
というか、それどころか屋敷に人影がない。
あの時いた他の柱達はもう産屋敷を出てたのかな……と思いながら、片っ端から部屋という部屋の襖を開けていく。
誰かの部屋らしい所も空き部屋にも、今のところ誰一人いなかった。
「うーん……え、これ捕まえられなかったら告白だっけ?絶対やだ…」
仮にやるとしたら、反応の薄そうな無一郎一択だな。
密かにそう思いながら、縁側の突き当りの角を曲がろうと、体を傾ける。
…………と、いつかの柱合裁判で感じた、“柱独特の重圧”を感じて、私はピタリと足を止めた。
……曲がり角の向こうから、重たい重圧の気配がする……
柱がいる…?動いてはないから、まさか、縁側に腰掛けているのか…?
気配的に1人のようだけど、何柱かによって私の命が消し飛びかねない。
不死川さんとかだけじゃありませんように、と祈りながら、好奇心に負け顔を出した私が見たものは……………
「……………」
目数メートルもない距離の先の縁側に、ジッと地面を見つめて座っていたムキムキ男。
私はというと、その横姿に驚きすぎて一瞬心臓が止まった。
「______」
そこにいたのは、見間違いもなく……派手柱こと、宇髄天元。私の推しだ……
(関係性や呪い云々は今のところ伏線です、すみません。ちなみに夢主はただ自我が強いだけの普通鬼(?)です)
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楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています!初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか?変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか?無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります!更新頑張ってください! (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - オチを宇髄さんに一票! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年8月22日 20時