胸騒ぎと涙形鳳蝶症候群 ページ8
『見たことないかも。』
「でしょでしょ！」
何がそんなに愉しいのか分からない。
たかが医院長を見たことがないくらいで。
…え？見たことがない？
それってやっぱりちょっと可笑しくないか？
例えば、研修や普段 仕事をしている時にすれ違ったり挨拶に行ったり、はたまた用事があって訪ねたり…そんなことをしていても違和感があることではない。
「なんかこの病棟の噂なんだけど、医院長も奇病持ちなんだって！なんの奇病かは分からない。それに医院長に直接会った事がある人もこの病棟で2,3人らしいよ」
ほ〜。何だその噂は。
よくある一種の都市伝説みたいなものだろうか？
『そうなんだ。なんか気になる話だね』
「気になるよね！なんでなんだろうなぁ。」
研究家としての血が騒ぐのか。
なんだか色々調べたそうな目だ。
『あ、いけない。もうそろそろ次の患者さんのところへ行かないと。じゃあ、また！』
「え〜、もう時間なの？行ってらっしゃい！どんな患者さんだったか聞かせてね！」
いつもと変わらない。普段のめい。
でもなんだか、胸騒ぎがする。ここから離れちゃいけない、めいから離れちゃいけない。
それは何をしでかすか分からないわんぱくな彼女を放っておけない 優等生な部分の私が出ているのか、それとも何が起きる前触れなのか…。
まあ、そんなことはないだろうと次の病室、005号室へ足を運んだ。
.
.
.
『失礼しまーす。ぅ、わっ！』
病室のドアを開けると 10匹程のアゲハ蝶が見事に綺麗な羽を羽ばたかせながら出てきた。
『びっくりしたぁ…』
小声で呟いたつもりが、
「ごめんなさい、ごめんなさいっ……」
目に飛び込んで来たのは、2年生ぐらいの男の子が蹲りながら泣いている光景。少し違うのは顔付近からアゲハ蝶が舞い出てくる事だ。
これは一体？
急いでカルテを見直した。
池田 真
病名を丸で囲み、その下に矢印が引っ張ってあり 誰かの字で、症状が記載されていた。
‘ 涙を流せば美しいアゲハ蝶に変わってしまう奇病 ’
急いで窓を開けた。これ以上蝶が増え続けては病棟内が蝶で埋め尽くされてしまう。
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匿名配送 - 病気の発案失礼します。 突発的妄想症候群 症状:現実で起きていたことを自身の脳があり得ない方向に認識し、それが本当に起きていると錯覚する。もしくは、夢と現実の区別がつかなくなる。……なんてどうでしょうか？ (2018年4月14日 21時) (
レス) id: f34edc742d (このIDを非表示/違反報告)
ハチフラ(プロフ) - 面白いですね！更新頑張ってください (2018年4月4日 1時) (レス) id: a93a29250c (このIDを非表示/違反報告)
そら。(プロフ) - 涅漓さん» ありがとうございます！嬉しい限りです、、、更新頑張ります！ (2018年4月3日 14時) (レス) id: 992a59eb68 (このIDを非表示/違反報告)
そら。(プロフ) - 端餅 責さん» コメントありがとうございます！ 提案も嬉しいです♪面白い奇病ですね、、！必要以上に人に近付かないというのも好きです！！！どこかで取り入れさせて頂きます！ (2018年4月3日 14時) (レス) id: 992a59eb68 (このIDを非表示/違反報告)
涅漓 - とても読み易くて . 面白い小説でした 、主人公の優しさや患者さんの気持ちが伝わって来てとても更新が楽しみです 。これからも頑張って下さい 、応援してます (2018年4月3日 8時) (レス) id: e95dc619dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら。 | 作成日時：2018年3月13日 2時
