隔 離 病 棟 .

花吐き病 ページ4

多くの花吐き病患者の難関、‘ 両想いになること ’。




治療法がない為、これで治すしか方法がないのだが トラウマがある片想いを幸せな両想いにすることはかなり難しい。

実際に治せた患者は数少なく、ほとんどは想いを告げずにその生涯をに幕を閉じている。








私も もしこの奇病にかかってしまったら、と考えると見えない恐怖に悪寒がする。









『さくらさん、元気出してください。お話ならいつでも聞きますよ』








にっこりと微笑むと、また彼女もその儚げな表情で微笑み返してくれた。









えっと…次の患者さんは、、、、





　





『るかさん、具合はどうですか？』







るかさん、と呼んだこの患者さんも花吐き病の患者さんで 吐く花は スノードロップ。

花言葉は【 あなたの死を望みます 】。

初めはとても怖い花を吐く人 という印象だったが、今ではそうは思っておらず同情してしまっている部分もある。








「別に。いつも通り。」









毎回毎回素っ気ない態度を取るのには理由があることを知ってしまったから居た堪れない。






るかさんは 婚約していた彼の長年の浮気が発覚し、結ばれるはずだった人人(運命の人)と結ばれずに 結果、片想いになってしまった可哀想な悲劇のヒロイン。





花吐き病を発病してから3年が経つにも関わらず傷は癒えないそうだ。
そろそろ 最期が来てしまうのではないかと寒さに凍える猫のように怯えている。









『そうですね、酷くも良くもなっていないですね…るかさんどこかに出掛けたいとは思いませんか？ いつでも申して下されば手配しますよ』









ずっとこの暗い病院のベッドで1日を過ごすのも勿体無い。
たまには気分転換として 外食などに出掛けて欲しいものだ。




504号室の花吐き病患者は全員20代と若い。
だから余計に 外に出掛けてリフレッシュして、たまには自分へのご褒美の1つでも買ってあげて欲しい。
まあ、所詮しがない看護師の願いなんだけど。









「いいよ、手続きとか色々めんどそうだから。」


『そうですか…ではまた、明日のこの時間にお伺いしますね。気持ちが変わればいつでも』






最後の笑顔を忘れずに。









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この日は隣の505号室にも伺い、全員の体調が確認できたところで 退勤。






明日はどんな奇病を持った患者さんに会って、どんなことを学ぶのだろう。

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