宝石病 ページ5
「今日の担当は、、、801号室か、っと。」
801号室。未知の病室だ。ここに足を踏み入れた事がない。
この病棟には 様々な奇病を抱えた人が多く入院しているのは従順だが、まだ出会った事のない奇病があるのも事実。
故に、801号室にどんな患者がいるか分からない。
どんなケアが必要となってくるのだろう、と私の心は期待と不安で呑み込まれていた。
部屋番号と患者の名前が書かれた下に、小さく “ 宝石病 ” と書かれていた。
目線をずらすと其処には 宝石病患者への対処法や症状、治療法などが細かく掲載されていたパンフレットのような物が置いてあった。
宝石病：触れたものを鮮やかな色の宝石に変えてしまう。命に別状はない。
これだけの説明でそれ以上でも以下でもないらしい。
治療方はなく、宝石病患者を上手く利用し 売買目当てで誘拐する者もいるとの事だ。
この奇病は死に関わるものではないが、最低限の生活をしていくにおいて圧倒的に不便極まりない奇病だ。
例えば歯を磨くとする。
宝石病はありとあらゆる物を宝石に変えてしまう為、手に持った歯ブラシでさえも美しい宝石になり 歯磨きどころではなくなってしまう。
ふぅ、と息を吸い込み気合を入れたところで扉を開けた。
目に映ったのは ベッドの上に寝転がり、分厚い手袋をはめ、読書をしている可愛らしい女性だった。
『こんにちは、まやさん？読書をしているところすみません。初めまして私、この病棟の看護師を努めております Aと申します。これからはお伺いに来ることも多くなると思いますので、宜しくお願い致します。』
少々長くなったが、これぞまさにお手本！というような自己紹介だと思う。
「初めまして、ご丁寧に。まやです、ここにきてからまだ日が浅く分らない事が多いので教えていただけたらと思います。これからご迷惑をかけるかとは思いますが、よろしくお願いします。」
まやさんからもお手本のような自己紹介を貰ったところでさっそく状態を確認する。
前の記録と今の記録を照らし合わせ、
『特に変わったことはありませんね、順調みたいです！』
後で話を聞くと まやさんは半年前に宝石病を発病し、すぐこの病院へやって来たそうだ。
様々な物を宝石に変えると、周りに迷惑がかかると思ったそう。
まやさんは人が良さそうだし、誘拐される前にここに来て正解だったと思う。
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匿名配送 - 病気の発案失礼します。 突発的妄想症候群 症状:現実で起きていたことを自身の脳があり得ない方向に認識し、それが本当に起きていると錯覚する。もしくは、夢と現実の区別がつかなくなる。……なんてどうでしょうか？ (2018年4月14日 21時) (
レス) id: f34edc742d (このIDを非表示/違反報告)
ハチフラ(プロフ) - 面白いですね！更新頑張ってください (2018年4月4日 1時) (レス) id: a93a29250c (このIDを非表示/違反報告)
そら。(プロフ) - 涅漓さん» ありがとうございます！嬉しい限りです、、、更新頑張ります！ (2018年4月3日 14時) (レス) id: 992a59eb68 (このIDを非表示/違反報告)
そら。(プロフ) - 端餅 責さん» コメントありがとうございます！ 提案も嬉しいです♪面白い奇病ですね、、！必要以上に人に近付かないというのも好きです！！！どこかで取り入れさせて頂きます！ (2018年4月3日 14時) (レス) id: 992a59eb68 (このIDを非表示/違反報告)
涅漓 - とても読み易くて . 面白い小説でした 、主人公の優しさや患者さんの気持ちが伝わって来てとても更新が楽しみです 。これからも頑張って下さい 、応援してます (2018年4月3日 8時) (レス) id: e95dc619dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら。 | 作成日時：2018年3月13日 2時
