此処はアルム地方本編 (ページ20)

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電話ページ20

カフェで暇を潰していたその時、

スマホの着信音が音量Maxで鳴った。

周りからの冷たい視線が突き刺さって痛いので急いで音量を無しにし、誰から掛かっているのかも確認せず電話に出ると、ライルの声が最初に聞こえた。

ライル【あー…もしもしガラシャ？大変なことになってるから今すぐアゲインタワー来てくんね？】

大変なこと、とは何事なのか。

ガラシャ【え、うーん……わかった！遅くなるかもだけど、出来る限りすぐ行くねぇ？】

まぁ、大方あの組織が関わっているのだろう。何処にでもそのような輩はいるものだ。

返事をした瞬間ツーツーという機械音を上げたスマホを耳から離し、会計を済ませた。

・・

近くのフレンドリィショップのトイレでキャリーバックに入っていたいつもの服に着替える。

外にいたアーマアガアとその操縦士にお金を払うと、操縦士は俺に対してすぐさま

「どちらへ？」

と聞く。俺は、

「シホウシティまでー♪」

そう答えた。

キナリタウンからシホウシティまではとても近いため、アーマアガアに乗れば最高でも5分ほどで着く。

本来ならばわざわざシホウシティには出向かないが、今回は気まぐれで行くためダイマックスバンドを付けていない。もしポケモンバトルが始まれば自分は余裕で勝てるが、本気が出し切れなく、位の高い幹部には圧倒とまでは行かずとも引き分け。もしくは逃げられるだろう。

.

そんな事を延々と考えていれば、何時の間にかとっくにシホウシティに着いていた。

アゲインタワーをよく見れば、周りには悪の組織…もといイーヴィル団に包囲されているし、最上階の窓ガラスは何枚か割れていると見られる。

面倒だと思いつつ、いつもはバトルで使わないが補欠としてベルトに付けているネイティオを出す。

なぜかって？それは…

ガラシャ「ネイティオ～！いつもより強めなサイコキネシスでぼくを浮かせてよ！」

無口なネイティオは俺に目もくれず、何も言わず、サイコキネシスを発動した。

ネイティオが無反応なのは過去と未来を見ているから、というのは事実なのだろうか。

事実だとしたら面白い。カエデが好きそうだ。

足元が地面からだんだんと離れていく、それはネイティオも同じだった。

本当に過去と未来を見ているのなら、此方にも意識があるはずだから三つ…いや、数え切れない程の出来事を一度に読み込んでいるのか。