誰も知らない幼馴染 (ページ16)

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アークページ16

すると、シロちゃんは私の後ろにいたアキノリとトウマに目を向けた。
くるりと回ったことで髪がふわっと舞う。

その姿は同性の私でもうっとりしてしまう。
そう、彼女は可愛いのだ。
小さい頃は普通に接していたけど、今思えば本当に美少女だと思う。

「申し遅れました、私は白井Aです。そして、其処にいるナツメちゃんの幼馴染です」

シロちゃんは軽く会釈をした。
するとアキノリとトウマは自分の名前を言った。

「ナツメの幼馴染か…」

アキノリは呟いた。
するとアキノリは「トウマとは幼馴染じゃないのか？」と言った。

確かに、幼馴染と言ったら同じ幼稚園だと思う。
でも、私達は違った。

「私達は家が近所だったからだよ。だから、トウマ君とは面識が無かったの」

シロちゃんは微笑んだ。
そういえば、シロちゃんはどうして妖怪になったのだろうか。
シロちゃんが死んだと告げられた時は詳しく言われていなかった。

今、言ってしまおうか。

「ねぇシロちゃん」

私がそう言うとシロちゃんは「んー？」と言って此方を向いた。
そして先程思ったことを言うとシロちゃんは「あ〜…」と下を向いた。

其れ聞いてはいけない事だったのだろうか。
シロちゃんの表情はだんだんと暗くなっていく。

「其れはまた今度話すね…」

シロちゃんは苦笑いで答える。
「ゆっくりで良いからね」と言うと、「ありがとう」とシロちゃんは言った。

すると、「あ、もうそろそろ時間だ…」と呟いた。
この後に約束でもあるのだろうか。それとも＿。

「じゃあね。ナツメちゃん」

シロちゃんはそう言って軽く微笑んだ。
なんで。どうして、等の言葉が頭を埋める。

”逝かないで”そう言いたい。
でも、そんな事言ったらシロちゃんに迷惑じゃないか。

きっと、あの時を思い出したからだろう。
シロちゃんが死んだと告げられた時を＿。

するとシロちゃんは此方に来て手を出した。
差し出した手からは青白い光が射す。

そして光が収まったらアークが現れた。
もしかしなくても、彼女の物だろう。

アークを見ると『A』と書いてあった。
ライトサイドの方にはシロちゃんの今の姿が描いてあった。

そしてシャドウサイドの方には数分前の姿が。
具体的に言うと、小さい女の子の姿が描いてある。

「ありがとう。シロちゃん」

私はアークを優しく握った。

そしてシロちゃんは先程とは違う、優しい光に包まれた。