〔喧嘩松〕今日から俺は君の犬 《カラ松》

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「その人は俺の大切な人だから、カラ松くんを傷付けるならお父さんでも許さない」

「なっ！」

「お父さん、お母さん今までありがとう」

「待ちなさい！A！」

「……さようなら
俺は二人のこと大好きだったよ
例え二人が俺を愛してなくても」

用意していた荷物をつかんで肩にかけてカラ松くんの手をとった

「いこう！」

二人で家の外に出て空き地につく
空には真ん丸のお月様が浮かんでいる


「これからどうするんだ？A」

「お爺ちゃんとお婆ちゃんの家に行くんだ
そうでもしないと諦めてくれないしね

……だから、しばらくお別れだね」

「えっ？」

「二人とも田舎で農業してるからさ
俺もそこに行くんだ、学校も変わるし……」

「そんな……」

「だからねカラ松くん待っててなんて言わないし言えない
好きな人ができたらその人と幸せになってほしい
でも、俺が大人になって迎えに言ってカラ松くんが一人の時は
俺と付き合ってくれる？」

「うっ……ひっく……まどろっこしいんだよっ…Aは」

カラ松くんの大きな瞳からポロポロと涙がこぼれる
その涙を服の袖で拭う

「だからさ、それまではカラ松くんの犬にしておいて」

「当たり前だ……さっさと戻ってこいよ
……A」

「御主人様は寂しがりやだからね」

カラ松くんを抱き締めるとカラ松くんも俺の背中に手をまわす
ほんとは一緒にいれたらいい

でも、今の俺じゃダメなんだ

君が俺を愛してくれても

俺が俺を認められない

自信がないんだ

「好きだよカラ松くん」

今は愛してるとは言えないんだ

ごめんねカラ松くん

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