にかちゃんだよ〜とは言えない③ (ページ26)

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くさねこさんから始まる何か② ページ26

sideたなか

何回かマンズ兄さん方とゲーミングルームで一緒になったことで分かったことがある。

それは、マンズ兄さんたちみんな、Aさんのこと好きなんだなってこと。もちろん男女とか関係なく人としてよ？そりゃオレらもマネージャー好きだから同じなんだけど。

……で、その中でこーじくん。この人に関しては人として以上にAさんに好意持ってる気がするんだよなぁ。

さっきのニャオハの反応とあべべの名前出されたときの表情と手の動きが怪しくて。眉間にシワ寄ってたし、手を握る力が強くなってるように見えた。

あとは目だね。なんかいつも以上に穏やかな目してる。ただ信頼してる、安心感があるだけかも知れないけどオレに向けられたことはない気がする。

「オレの好きな人？」

「そーです。……Aさん、好きなのかなと。」

こーじくんに好きな人が分かったと話したら、慌てたように少ししゃがんで小さな声で聞き返されて。これまた小さな声で名指ししてみたら。

「そりゃな、マネージャーやから。好きは好きよ。」

「ふふ、そういう意味じゃないよね、こーじくん。」

「……。もー、ほんまになんやー。なんで分かるんー。」

最初はすっとぼけていたこーじくんも、オレの嘘は許さない目に観念したのか結局肯定した。

そしてマネージャー変わってほしくないから誰にも言わんといてよ、と本気の目でお願いされる。

……そりゃそうだ、この仕事をやっていく上で一番気をつけなければならないことだし、その相手がマネージャーとなればどんな結末が待っているのかなんて目に見えている。

こーじくんはプライベートではなく仕事仲間としてAさんといる道を選んだんだな。そう思うと、さっきまでニヤついて聞いてた自分が恥ずかしくなってきた。

「分かった、絶対言わない。」

「ありがとう。……なんかめっちゃ目がキリッとしたな？」

「行きつく未来を考えたらこうなっちゃって。」

「……ああ、考えちゃったっか。なんかすまんな。」

あー！オレらかしたらありえんくらいのしんみり感。……というかこの状況、僕が僕じゃないみたいだ、じゃね？

「こーじくん、僕が僕じゃないみたいだの1番だけでいいんで聴いてください。鳥肌立つかもしれないんで。」

「それってSixTONESのやつよね。」

「そうです。」

「ん、聴いてみるわ。」

すぐに聴き始めたこーじくん。そして「オレやん」って言ったときの顔、なぜか鮮明に頭に残った。