にかちゃんだよ〜とは言えない③ (ページ23)

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宅飲みページ23

sideにかいどう

今日もランクルで帰宅する二階堂兄妹。

「すごい、これがランクル……。」

助手席で目をキラキラさせる阿部ちゃん。

「久しぶりだな、乗るの。」

いつかぶりに後部座席に乗る舘様。(Aに影響されてそう呼ぶようになってしまった)

「帰ったら飲むぞー！」

もう飲むことしか考えていない妹のA。

そう、このメンバーで宅飲みすることになった。場所はもちろんオレん家。キスマイメンバー以外はAがいるから招けない。だから後輩じゃ初めて。

Aが妹だと知っているからこそ実現した今回の宅飲み。お酒が強いと噂の舘様とは飲み比べしたいし、そういった事は聞かない阿部ちゃんが酔うとどうなるかも見てみたい。

そんな気持ちを抱えながら帰宅。

「お酒けっこうありますねぇ。」

「舘様見て、ポケモンもなんかいる！」

二人を家に上げれば、着眼点がまるで違って面白い。舘様は想像の範囲内なんだけど、阿部ちゃんがポケモン……Aのコレクションに反応したのが意外だった。

途中で買ったおつまみと二人からのおみやげをテーブルに並べ、お酒をいくつか持ってきたら宅飲みのスタート。

「はいっ！ちょっとトイレ行ってきます！」

「トイレはこっちです。」

飲み始めからしばらくして、トイレ一号が爆誕。阿部ちゃんだった。場所分かんないってことで、Aが入口まで案内してて。

「すごーい！なんかクラシック流れてきた！ぺーるぎゅんと？だっけ？」

「お、知ってんだ！さすが阿部ちゃん。」

トイレから帰ってきた阿部ちゃんはほろ酔い感出てるけどさすがクイズ部部長、クラシック曲も把握しているらしい。

すると舘様がスッと手を挙げた。

「Aさんが迎えに来てくれた時に車で流してた曲だよね？たーらららーみたいな。」

「お、舘様も知ってんじゃん。てか、A、舘様車に乗せたことあんの？」

「そりゃあるに決まってるよ、私をなんだと思ってんの？マネージャーだぞー。」

あ、意外とAも酔ってんね。少し頬が赤くて言葉遣いがちょっと子供っぽくなってる。

チラッと阿部ちゃんの方を見やれば、ポワポワした顔でかわいいねぇ、とAの兄であるオレの前で堂々と言ってのけた。

舘様もだよねーなんて同調している。

「Aはマネージャーだからな？」

「分かってますよー。ね、舘様？」

「もちろんですよー。」

……酒飲んじゃってるから忘れそうだよなぁ。