にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ29)

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ゆり組の休日？② ページ29

sideみやだて

遊園地での翔太とすゑひろがりずさんとのロケ。ロケなんだけどとっても楽しくてね。マネージャーのAさんも一緒だし、これは仕事なのかな？って思っちゃう。

次の撮影はバイキング。そこまでの道中、AさんがすゑひろがりずさんのYouTubeを見ていることが発覚して、俺も負けじと宮舘王国の姫認定させてもらって。

話の流れからしてノリだっていうのは分かってもらえるところだからね。ついでに翔太も隣国の王子(幼なじみ)っていう設定も作ってみたよ。

「……翔太くん、こういうの苦手ですか？」

「と、得意ではない。」

「翔太、完全にビビってるじゃん。」

バイキングに乗る前の撮影位置に着いた。浮かない顔をしている翔太に気付いたAさん。本当翔太って怖がりだね。傍から見ていると反応が面白い。

「ねえ、Aさんも一緒に乗らない？」

「撮影の後に許可取れるならいいですけど……。」

「2回乗るの！？」

「そりゃ1回は撮影だからね。4人だけの画がいる。」

「やっべ、素で忘れてた……。」

もはやこれがロケなこと忘れちゃってるし。結局2回乗る気はしないということで、Aさんと一緒にという案は立ち消えに。

Aさん、こっそりオレだけにこういうの得意じゃないんですよね、って苦笑い。オレだけが彼女のお兄さんのことを知っているから少し安心感があるのかなって思ってみたり。

さて実際にバイキング……ここだけにある漫談ライドに乗ったわけだけど。

「ぎゃーーーーー！」

「わーーーーーー！」

横と後ろから聞こえてくる叫び声で、肝心な漫談がかき消されて。これもこれで面白いんだけど、翔太はともかく三島さんも苦手だったとは。

横から見守っていたAさんも、その叫び声が面白かったのか、オレたちがバイキングから降りたあとの段階でもすごく笑ってて。

「楽しそうな人と怖そうな人の対比で見てて面白かったです。」

「オレも翔太と三島さんの叫び声で笑っちゃった。」

「……あー！もう乗らねぇ！」

とか言って、Aさんに誘われたら乗るんだろうなぁ。彼女も苦手と言っていたからありえないけど。

「お化け屋敷とかもいいですねー。」

「オレは入んないから！」

「ならオレと入ろうか？」

「それは違うじゃん、3人で入る！」