【銀魂】 武士は食わねど高楊枝

それは職権濫用 ページ43

「おいA」


本日は真面目に業務をこなしていたわけだが、唐突に名前を呼ばれそれは一時停止。



「うっわ、副長人の部屋で煙草なんて最低ですよ！！」



煙草を蒸かしながら私の部屋に入ってきた副長にブーイングを送れば、副長は舌打ちを一つついて煙草の火を消した。



「あ、で、ご用件は？」

「総悟を見廻りに連れて行け」

「えー」



仕事の押し付けですよこれは。

だって本日は私、見廻り当番じゃないのですもの。

監察であるってのも理由の内で、見廻り当番なんて月に一回あるかないかほどだけども。


それにしたって、現在夕暮れ。

一番暑い時間帯だ。



「えーじゃねェ。副長命令だ」

「それ職権濫用って言うんですよ！！！！」


ただ、副長命令を出されてしまえば、私も従う他よりない。

ワケを聞けば、今日の沖田隊長はいつにもまして見廻りを嫌がっているらしい。



「じゃあ、この書類免除してくださいね〜！！」

「ったく、わァったよ」



交換条件に渋々応じてくれた副長。

なんだかんだいって、お人よしっていうか鬼の副長と言えども少し甘い面もある。


正直、沖田隊長と見廻りなんかしてロクに仕事になったことはほとんどないし、桂と出くわさない限りはめちゃくちゃ動くなんてこともないだろう。



「沖田隊長、見廻り行きますよー！！！」



大体いつも居ると言っても過言ではない縁側を覗けば、予想通り沖田隊長はそこに居た。



「ンだよ、てめェに交代かィ」

「露骨に嫌そうな顔しないでくださいよ〜！！ほら行きますよ」



苦笑い交じりにそう言えば、溜息一つ沖田隊長は起き上がった。

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