とんだ厄日 ページ39
「まったく、とんだ厄日でしたよ〜!」
わっはっはと笑えば鬼の看護師とよばれるおばさんがギロリと私を睨み付けた。
私の前には、お馴染みの真選組の面々がいる。
「肩の調子はどうなんだ」
流石にここでは煙草を吸わない土方さん。
ニコチンが切れてイライラするのか、若干手が震えてるけど大丈夫かこの人。
「ビンビンしてます。むしろ前よりも働けますね!!これは!!あ、喫煙室はここでて右ですよ」
「人をニコ厨みたいに言うんじゃねェ」
「あながち間違ってねーですぜ」
沖田さんの肯定に食って掛かろうとした土方さんは、近藤さんになだめられ潔く喫煙室へ向かって行った。
それと同時に、近藤さんやザキさんも席を外す。
どうやら近藤さんは愛のハンターという名のストーカー。
人の見舞いよりストーカー。
そして、ザキさんは仕事という至って普通の用事で流石地味代表。
沖田さんは私の傍らの椅子に腰を掛けた。
「お前、なんであんな無茶したんでィ」
傷口をまっすぐと見つめ沖田さんは口を開く。
らしくない、少し静かな声音で。
「子供って言うのはなんでも吸収しちゃうスポンジなんです。だから、恨みをはらすための手段に殺しを教えたくなかった」
窓の外にはキャッキャと遊びまわる子供。
私には彼らのような幼少時代はなかった。
私は物心ついたころにはすでに、戦場に居た。
相手が死ななければ、私が死ぬ。二つに一つだ。
「――あの子供たちはどうなったんですか?」
「連れ去られた奴らは全員家族に引き渡した。ただ――・・」
そこからの言葉はなんとなく予想できた。
人身売買というのは二つパターンがある。
それは連れ去りと、親に売られること。
そういった子の引き取り手の親は現れない。
「売られた方が幸せだったんですかね〜」
「売られりゃ何になってたかわかりゃしねーだろィ。それこそ大量殺人鬼にでもなり下がっちまうことだってないとはいえねェ」
引き取り手の現れない子供は託児所により、引き取られる。
そんなことは、この世の中ではマレでもない。
複雑な思いを抱えたまま、私たちの監察はここで終了した。
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神阿(プロフ) - ☆MARIN☆さん» ありがとうございます!!がんばります!!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 銀色ミカンさん» お返事遅れてしまってすみませんでした!勿体ないお言葉ありがとうございます!!がんばります!! (2016年6月15日 20時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
☆MARIN☆ - な、何かドキドキする展開になって来ましたね……! 更新頑張って下さい!! (2016年6月15日 17時) (レス) id: 8824379efa (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - お初にお目にかかります。この展開、めっちゃいい^^面白いです^^続きを楽しみにしています。がんばってください。 (2016年6月13日 15時) (レス) id: 220d4c1752 (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 奈々恵さん» ありがとうございます!話の内容はもう既に決定しておりますので暫しお待ちを! (2016年5月22日 17時) (レス) id: 3a209594c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2016年5月1日 21時