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流れそうになる涙を堪え、もう少しだけこのままでいたくて目を瞑った。
朝になれば キムソクジンが目を覚ませば
これは夢のようにぱっと終わってしまうのだから。
｢Aさん｣
案の定、午前9時を回った頃にキムソクジンは目を覚まし 勧めたコーヒーもやんわりと断り、身支度を始めた。
もういつでも帰れる状態を作り キムソクジンは私の名前を呼んだ。
｢泊めてくれてありがと
そろそろ行くね｣
鞄を持ち上げ、玄関へ向かっていく彼を やっぱり私は止めない、いや 止められない。
｢気を付けてね｣
毎度おなじみの言葉を放ちながら玄関先まで見送ると
｢いつも同じこと言うね｣
と微笑む。
他に言いたいことがあるんじゃないの、と言いたげなその笑みに答えることなくドアを開けるキムソクジンを見つめると
｢カレー美味しかったよ ありがとう｣
と残し、行ってしまった。
ドアがしまった瞬間膝の力が抜け、その場に座り込んでしまう。
私はこんなにも弱かったのか、と床を眺めているとぽつぽつと水滴が模様を作る。
泣くもんか、そう思いながら泣いた。
悔しくて、腹立たしくて、苦しくて、痛くて
とてつもなく愛しかった。
真冬のくせに、嫌になるくらい晴れたその日を
キムソクジンはどう過ごすのだろうか。
知らないことを知りたい。知りたくないのに知りたい。全てを知りたい。何もかもをこの手にしたい。
彼の休日を、手に入れたかった。
しかしそんなこと叶うはずもなく 大きく息を吸って吐いて 袖で床の涙を雑に拭った。
強がって、気付かぬふりをしても
結局行き着く先は同じだった。
私の人生ごと、この愛しい地獄に通ずるために始まったようにすら思えた。
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K(プロフ) - sunnyさん» コメントありがとうございます！ジンくん目線！凄くいいですね。整理が着いたら書いてみたいと思います！本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2021年10月15日 20時) (
レス) id: 2712528a63 (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - すごいどストライクの作品で大好きです💜！この作品のジンくん目線？の内容もすごい気になります！これからも大変かと思いますがお話頑張ってください！！ (2021年10月15日 18時) (レス) @page37 id: 5ee4f4580f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - びぃんさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。こんな最低の男にしてしまって申し訳ないですが気に入っていただけて良かったです！ (2021年10月11日 18時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
びぃん(プロフ) - いやめちゃくちゃ好きです何だこれは……すっごい昂りましたありがとうございます神様仏様K様…… (2021年10月11日 18時) (レス) @page37 id: 57661bab90 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほまさん» コメントありがとうございます！激アツ、凄く嬉しいです！風景を思い描いていただけて良かったです。これからも少しずつですが書き進めていこうと思いますのでまたご覧頂ければ幸いです。 (2021年10月11日 0時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2021年10月2日 19時
