化け物は暖かさを知る2【角名倫太郎】 (ページ24)

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貴方side

作戦から1週間

私はあの手この手で佳奈ちゃんと佐竹を2人きりにさせた

最初より2人共普通に話せてるしいい感じじゃん。私凄くない？

2人の距離感が縮まっているのを見ると嬉しくなる

その日の放課後、佳奈ちゃんに「委員会があるから待ってて」と言われたので教室で待つ事にした

貴「(好きな人…私にもそんな人出来るかな)」

私は自身の机に突っ伏しながらそんな事を思っていた

ｶﾞﾗﾗ

貴「(佳奈ちゃんもう委員会終わったんだ)」

そう思い私は顔をあげ声をかける

貴「あ、佳奈ちゃんお疲れ…って、佐竹？」
佐「魅音じゃん、お疲れ」

この時間に教室に来る人なんていないから佳奈ちゃんかと思った

佐「千歳…待ってるの？」
貴「うん、委員会あるんだってさ。一緒に帰るから待ってるの」
佐「そっか…あの、俺な、」
貴「なに？」

佐竹は口をモゴモゴしていた

貴「(なんだろう…まさか！佳奈ちゃんの事好きって言おうとしてる？うわ、それだったらめっちゃ嬉しい)」

そんな事を考えていると佐竹は私の机の前に立っていた

佐「お、俺…魅音の事、好きなんだけど」
貴「…………は？」

え？私？

素っ頓狂な声を出してしまった

いやいやいや！！まてまて！！

貴「え、何言ってんの？」
佐「だから、お前が好きなの！魅音が千歳と俺の事くっ付けようとしてるの分かって…なんかムカついて…気付いてないならちゃんと好きって言おうと思って！」

なんで…だって佳奈ちゃんは？佳奈ちゃんの気持ちはどうなるの？

貴「私は佐竹の事好きじゃないし、ただのクラスメイトだと思ってる。だからその気持ちを受け取ることはできない」
佐「っ！で、でも！俺は魅音が転入してきた時からずっと、！」

ｶﾞﾀｯ

この空気に耐えきれないのと佳奈ちゃんへの申し訳ない気持ちでいっぱいになり席を立った

そのまま荷物を持ち教室を出ようとした

けど

貴「ッ！離して！」
佐「嫌だ離さない！ちゃんと俺の目見て！俺の事好きになって！」
貴「嫌だ！やめて！」

佐竹に腕を掴まれ、振り解こうとしても所詮は男と女。力に差がありすぎる

すると突然、佐竹に腕を引かれた

貴「いい加減に！っん、！」

体が止まったと思ったら

唇に柔らかい感触

キス…だろうか

理解した瞬間

体が震え、血の気が引くのが分かった