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ちなみに先述した「悪人」判定は、同じ高校の生徒に対しては滅多に下さない。「玉響高校の生徒である」というだけで、倉知にとっては「「正義を盾に悪を滅す」という精神の下動ける、信頼に足る人物」として映る模様。警戒心も緩くなる。そのため信念を真っ向から否定しにかかる、弱い者いじめをする、校則や上の指示に逆らい続ける……などといった、あからさまに地雷を踏み抜かれるようなことがない限り友好的である。

お察しの通り「悪人」と判断されるとかなり厄介なことになる。頑固故に弁解などもなかなか聞き入れない。


父は名のある学者、母は専業主婦。7歳まではそんな家庭で過ごしていた。父が何を研究していたのかは知らない。父は仕事で家を空けることが多く、交流も少なかった。きちんと教えてもらう前に、母の手によって殺された。母は居間の床に父と、見知らぬ女性と少女の死体を転がして、律瑠に「お父さんは本当は悪い人で、こうなるのは初めから決まっていたの」「律瑠もお母さんと同じお仕事をしなくちゃいけないの」と言った。当時の律瑠に、その言葉の意味は全く理解できなかったのだが、母の表情に一種の物悲しさやうら寂しさが浮かんだように見え、母を傷つけたくない一心で真直ぐ「母のためなら何でもする」「母のことは父の代わりに私が守る」と宣言した。
その日のうちに引っ越しをし、名前を変え、別人として生活し始め、母の仕事の内容や、暗殺の基礎を色々教え込まれた。

端的に言えば母は父を殺すために仕向けられた暗殺者で、律瑠はターゲットの父を油断させるための材料兼母の後継者として産み育てられていた……ということか。
その後中学に上がるころに、母と繋がりがあるという現在の義父と義母に引き取られ、本格的に暗殺者となるために励み、何度か実践にも踏み込んだ。そして玉響高校に入学。
ちなみに現在の家に養子として引き取られた後、母とは会っていないし居場所も知らない。義母と義父も母について語ることはなく、聞くことも許さないため、父を殺した際の母の言葉の真意も、律瑠に対する気持ち、とりわけなぜ律瑠を暗殺者とすることにしたのかの理由も何もかも分からないままである。

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たま(プロフ) - らっかせいさん» はい、よろしくお願いします。改めて関係を結んでいただきありがとうございました。 (2021年5月22日 18時) (レス) id: 361200f913 (このIDを非表示/違反報告)
らっかせい - 大丈夫です!私の方も纏めちゃいますね! (2021年5月22日 16時) (レス) id: ac50ef14ea (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - らっかせいさん» ありがとうございます!では、そのような風にキャラシートの方に纏めさせていただいても大丈夫ですか? (2021年5月22日 16時) (レス) id: 361200f913 (このIDを非表示/違反報告)
らっかせい - はい!大丈夫です! (2021年5月22日 16時) (レス) id: ac50ef14ea (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - らっかせいさん» はじめから友好的に接することができるので、柊さんから栄海に対する苦手意識やマイナス感情が無ければ仲良くできるかな、と思っておりますがいかがでしょうか…? (2021年5月22日 15時) (レス) id: 361200f913 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たま | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年12月29日 15時

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