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結果から言うと親はすぐに助けに来てくれた。
けれどポートマフィア上層部とはいえ異能力者でもなんでもない両親が異能力者に勝てるはずもない。
両親が命をかけて戦ってくれたことは一生頭から離れないと思う。異能力集団だった訳では無かったから異能力者では無い男以外なら両親も戦うことは出来た。
母「A!!!」
母が駆け寄ってきた時、良かったこれで助かるって思った。
けれど
母「ぐはっ!!」
相手の親玉……私を攫った異能力者はかなりの攻撃種の異能力で気付いた時には目の前に母と父、二人が連れてきてくれたであろうポートマフィアの黒服達が倒れ血の海と化していた。
『え……?』
血の匂いには慣れていると思ってた。
毎日嗅いでたから、慣れていると思ってた。
なのに
『うっ……』
とてつもなく濃い血の匂いに吐き気を催していた。
両親は頑張って血の匂いを消していたのだろう。
こんな匂いを嗅いでいたのなら家でのあの匂いになんか気づかない。
『うっ……うっ……』
泣きそう。吐きそう。どうしよう。
あんなに困惑したのは生まれて初めてであって1番だったかもしれない。初めて嗅ぐ本物の濃い血の匂い。目の前には倒れている両親。それを見てニヤついてる男。
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作者名:ゆうしゃん | 作成日時:2022年5月16日 21時