人嫌いな彼女【中原中也】

何もかも ページ28

誘拐犯｢貴方の秘密を受け入れてくれて、
　 愛してくれる人はいると思いますか？｣

涙が溢れ出る


痛いから？

怖いから？



違う。

気付いてしまったからだ。



私は結局、昔と何も変わっていない事に









私の母は父に暴力を振られていた
毎晩毎晩、母の叫びが聞こえた

私は父が許せなかった
だから異能力を使って殺そうとした。


しかし、目の前にいたのは母だった。



なんで自分に暴力を振るう奴を庇ったの？


なんで死ぬ前に私を睨みつけたの？


なんで





私を愛してくれなかったの…？







誘拐犯｢貴方はポートマフィアに居ない方がいい｣

『……』

何が起きたのか分からない

視界がぐらついた。

気がつけば目の前は真っ赤だった。





ーーーーーーーー





とにかく急いでAの元へ行く。

真っ白な髪が見える

中原｢っ！A！｣

が、そこに居たのは

不気味に微笑む血に染まったA
笑いながら死んでいる誘拐犯らしき男
動物の死骸





4年前の光景と重なる＿＿





『…中也さん、約束破ってしまいました。』

泣きながら笑うA









4年前、Aは異能力の暴走を起こし、

俺ともうニ度と異能力を攻撃手段として使わないという約束をした。

今まで保たれていたその約束が無くなればどうなるか、



Aは地の底へ落ちてしまう
誰かが手をさしのべねぇと

アイツが笑えるような世界には成らない




俺はAを抱きしめた。

中原｢落ち着け。もう大丈夫だから。な？｣

其の儘Aは倒れ込んだ

樋口｢A!!｣

樋口は相当取り乱している。
Aからはかなり弱いが心音が感じられる

中原｢まだ生きてる！
　 直ぐに首領の所へ連れていくぞ！｣

嗚呼

なんであの日、コイツを待たずに帰ってしまったんだ

何時もみたいに
明るく笑っていてくれよ

樋口　過去→←誘拐

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