幸せになるまでのお話

泣いたってもう遅いんだよ ページ15

貴 「失礼しまーーーす！！」

貴 「社長お疲れですか！？、休まなくちゃ！、あ！、私眠いかも！」

私はAのお見舞いに行く前に社長室を見るとAとの思い出が巡ってきた。

もう前みたいに此の場所で騒いでは呉れぬのか？



私は探偵社を出てAの居る病院へ向かった。

『真神A様』

そう掛かれたプレートの病室に入り眠っているAの隣に在る椅子に座った。

Aと向き合うのに未だ臆病な私が居る。

何故なら私は武装探偵社の社長で在りながら社員の一人の心身の事を全くもって無関心だったからだ。否、本当は気にしていた。

福沢 「何やってるんだろうな、私は」

病室に在る心電図の音が私の罪を責めている気がした。

責めるが善い、私の罪は謝っても償いきれない量の罪だ。

福沢 「又痩せたな、ダイエットでもしているのかA？」

お前にダイエットは必要ない、そのままで十分綺麗だ。

福沢 「あの日私がお前に頭は大丈夫なのかと云った日、Aの事を今すぐ止めなければと思った。

だが足が動かなかったんだ、あの時自分の足を殴ってでも止めに行くべきだったな

止めに行ったらこんな未来は無かっただろうっ

済まぬ、済まぬAっ」

こんな泣いて情けない姿はAには見せられないな、だからもうくよくよしている臆病な自分とはお別れだ。

福沢 「そう、此れでお別れだ」

私は目の前に居る臆病な私に別れを告げた。臆病な私は軽く笑みを浮かべて「頑張れ」そう云って消えていった。

だが消失感は無い、きっと臆病な私は私の中に入っていっただけなのだろう。




福沢 「目覚めたら一緒に猫に餌でもやりに行こう」

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