今更遅いんだよ ページ13
あの日
其れは医者としても人間としても最低な行為だったと今でも酷く後悔している。
あれは私が少し機嫌が悪い時だった。
貴 「失礼します!!、与謝野せんせ___」
与謝野 「嗚呼、煩いねぇ」
私は何時もの様にAを軽くあしらった。其れは最早癖と云っても良いほどだった。
妾も莫迦だと思っている、Aが目覚めない事になるなら素直になれば良かった。今更後悔したって遅いさ。
嗚呼、心の何処かで許してもらおう何て思う妾は本当に愚かだねぇ。
貴 「与謝野先生・・・」
Aは小さな声で妾の名字を呼ぶ。多分其れは妾が煩いと云ったからだろう。
アンタは本当に真面目で純粋だ。きっとその純粋さを壊したのは妾達なんだろうねぇ。
与謝野 「何だい?、口で云わなきゃ分からないよ、声出さないなら要らないねぇ、こんな口」
嗚呼、何て事を云っているんだい。此れは本心じゃあないんだよA。
そう記憶の中のAに語り掛けたって別に現実が変わるわけじゃないのにねぇ。
貴 「こんな声が出る口は要らないですか?」
Aが何時もの明るい口調じゃなく大人しくそんな事を聞いてきたのは本当に驚いた。
そしてその時私は自分がこんなにもAを追い遣っていた事に気付いて酷く後悔した。
だけど妾の口はもう手遅れで思ってもない事をペラペラと云いだした。
与謝野 「嗚呼、要らないねぇ、用がないならさっさと出て行っておくれよ」
貴 「じゃあ此れを!」
そう明るく振る舞って出て行くAの背中は酷く小さくて強く抱き締めたら折れてしまいそうだと初めて思った。
だけどその時の私が感じていたのは後悔と悔しさと云う黒い感情だった。
Aが医務室を出たのを見計らって自分に向けた怒りと机にぶつけた。
何で妾は素直に『Aの口は皆を明るく励ます為に必要だ』って云ってやれなかったんだっ!
何で妾は何時も優しくAに接する事が出来なかったんだい!?
与謝野 「嗚呼、妾は甘えていたんだねぇ
A、早く起きて此の愚かな妾を殴ってはくれないかい?」
妾は面会時間が終わった為Aに一言「済まない」っと謝ると病室を出て行った。
与謝野 「そう云えばAの好きな食べ物知らなかったねぇ、起きたら買ってやろうかねぇ」
330人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もっち - もう意味わからんくらいに泣きました良作品ありがとうございました (9月30日 0時) (レス) @page46 id: 8abd05d020 (このIDを非表示/違反報告)
夢菜 - もう物理的に心が傷んでやばかったです!号泣してティッシュ無くなりました! (7月27日 12時) (レス) @page46 id: d976c5d16a (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス - ベットの上で読んで、大号泣しました…すごいいい話でしたね!ティッシュもハンカチも無くて、枕がずぶ濡れなんですが!? (2022年5月23日 1時) (レス) @page46 id: 3c601836b6 (このIDを非表示/違反報告)
エイリス - やばい涙がやばかったです!ポケットティッシュめちゃくちゃ使いました! (2022年3月21日 8時) (レス) id: 6d08cb1905 (このIDを非表示/違反報告)
黒芹(プロフ) - 観覧ありがとう御座います!、そこまで泣いてくださって嬉しい?です! (2019年5月29日 15時) (レス) id: e1a12d6e15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒芹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=huzisamaLOVE26
作成日時:2017年1月5日 13時