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白よりの灰 ページ5

中島敦side


「まぁ、敦君

記念に握手でもどうかな?」

Aさんに手を差し伸べられ、はいと返事をし乍手を掴んだ

すると、一瞬電気な様な物が走った気がしたがAさんが余りにも自然なので思い違いだったのかと思うことにした

「治との出会いが川とは面白いもんだね」

「え…?どうしてそれを?」

確かに僕が太宰さんと出会ったのは、川だ。

財布をすろうとしたところ、川に流れてきた太宰さんと出会った。

「孤児院出身で災害指定猛獣の称号もお持ちとは」

声高らかに笑うAさん。何で知っているんだ?!

「因みに、私が話したのでは無いからね?」

太宰さんの方を向くが、違っていたみたいだ。

「これは私の異能だよ」

ニコリと笑うAさんの笑顔は少し悲しそうに見えたのは気の所為だろうか







太宰治side

「《古き時代の忘れ物》と言ってね

触れた相手の記憶を見れる異能なんだよ

怖がらせちゃったかな?」

「そんなことありません!」

首をぶんぶんと横に振り否定をいれる敦君

Aの異能は常時発動型の為制御が出来ない

その為、何時もは手袋をして人と関わっている

今回は何時もの様に遊びたかっただけなのだろうけど

そんなに哀しそうな顔をするなら人の記憶等見なければいいのにといつも思う

私の時はニコニコと手を掴んできたのに、私の異能力無効化で何も見えずに呆気に取られて立ちつけしてたっけな

あの時のAは可愛かったなぁ

と思い出に浸るのもいいのだけれど

「ねぇーいつまで私を置き去りにするつもりなんだい?」

Aの哀しそうな表情なんて見ていられないし

私が逢いに来たというのに敦君ばかり構うなんて酷いじゃないか!

君もそう思うだろう?

そう思い乍、口の中にクッキーを放り込む

「治そんなに拗ねるなよ」

ふふっと笑い乍、私の頭を撫でるAに免じて今回だけは許してあげようではないか

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作者名:糸雨 | 作成日時:2022年1月11日 20時

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