32．ヘイ、ダーリン ページ33
「………あ"あ"？ッチ、わぁーったよ」
男が電話に出る。出るときはニヤニヤと笑みを浮かべていたのに、電話に出た後は不機嫌そうな表情を浮かべている。チッと舌打ちをし、私の前に威圧的に立つ。少し冷や汗が出た。
「中原中也がお前に代われと云っている。さっさと出ろクソアマ」
そう云い、男はスピーカー状態にした携帯を押しつけてきた。中原さんと話せる、助かるかもしれない、という安心感から涙が出そうになる。
『あの、中原さ＿＿＿』
「やあ、愛しのハニー。いつも云っているじゃあないか、二人の時はダーリンだって。それで、大丈夫かい？怪我はない？にしても君は悪い子ちゃんだな他の男にホイホイついて行って。帰ってきたらお仕置きだよぉっ」
涙が一気に引っ込んだ。全然中原さんじゃなかった。太宰幹部だった。気持ち悪かった。本当に、非常に。
あまりの薄気味悪さに語彙が消滅し、鳥肌がザワザワと立つ。だが、太宰幹部の事だ。きっと何か考えがあるのだろう。軽い吐き気を覚えつつ、
『だ、大丈夫だよ。心配させてごめんね、ダーリン。早く会いたいよぉ』
太宰幹部の話に合わせるため、精一杯のバカ彼女を演じた。自分でもかなり気持ち悪いと感じた。周りの男なんて「マジかよ此奴ら、キッッモ」という顔で私を見てくる。
「ハニーが無事で良かったよぉ。愛してるっ」
『ぅっ、私も愛してるっ』
嘔吐きそうになりながらも、語尾にハートがつきそうな勢いで太宰幹部の真似をした。電話越しにぐはっ、だか、ぐえっという様な変な声が聞こえたが、すぐに電話は切られた。
「お前、よくあんな奴と付き合ってられるな」
『………ダーリンの事、愛してるんで』
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雷牙 - 口角が天井に刺さった (4月13日 21時) (
レス) id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 黒猫もふお さん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！ (8月19日 13時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫もふお - 神作品をありがとうございます！すごく面白かったです！ (8月19日 12時) (レス) id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - りおさん» ありがとうございます！界隈が違うのに読んでくださって嬉しいです！更新頑張ります！ (2023年3月16日 19時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！キャラクターのことよく知らなかったけど読んでみてめちゃめちゃ面白かったですっ！！素敵な作品ありがとうございます！更新頑張ってください！ (2023年3月16日 19時) (レス) @page29 id: 67c8df008b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橘たまき x他1人 | 作成日時：2022年3月17日 7時
