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廻り流れて ページ30

雨森 side

ふらふらと歩きながら 観覧車へと辿り着く。


私達が乗ったのは紫色。
確か、一つだけでジンクスがあった気がした……
思い出せないけれど。



観覧車から見えるヨコハマはとても綺麗。
青い海と空、ビルが立ち並び 中華街や赤煉瓦倉庫などの観光地も豆のように小さく見える。


『……ねぇ、お姉さん』


久作君が私の顔を覗き込む。


『僕をぎゅー、ってして?』


内の見えない笑顔。
幼いのに瞳は笑っていなくて、何処か陰鬱とした空気がこの狭い空間包む。

でもね、久作君。

御免ね、分かっちゃう 君のしようとしていること……
だから


夢 「え」


私は 彼の頭を撫でた。
そして、服の下の針金とカッターの刃を取る。

そして 優しく抱きしめた。



夢 「…な、んで」

『……貴方を傷付けたくない…それだけ』



彼は困惑しているだろう。



ぐるぐるとした人の感情を探り当てるのはとても大変だから……


*******
夢野 side


なんでこの人はいま 僕を抱き締めてるの?


こんなに優しくて……

温かくて……

心が落ち着くなんて……



初めての感覚に、僕は困惑する。



だって、バレたら怒られると思ったから。

叩かれる?蹴られる?切られる?



どうして撫でるの?

何で怒らないの?



……僕には分からない。


*******
No side


静寂が2人を包む。


夢野は困惑し、Aは抱き締めて頭を撫で続ける。


『…無理、しなくていいよ。我慢もしなくていいの』

夢 「え……?」


体を離し、ふわりと微笑む。

その蒼い瞳には薄く涙が張っていた。


『好きな事、したい事 全部言っていいよ。それに 私は貴方を拒絶しない』

夢 「なんで……?」

『拒絶される痛みを…辛さを知っているからかな』


そして再び 抱き締める。


『貴方は神に嫌われてなんていない。それに 私は貴方のこと好きだよ』





夢野の瞳から ほろりと1粒の涙が零れ落ちた。

瓶から溢れ零れる→←クレェプの味



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月瀬(プロフ) - 魔異さん» リクエスト ありがとうございます!ぜひ書かせていただきます (2019年10月13日 17時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
魔異 - こんにちはです=(^.^)= リクエストです 幼女化するか猫耳メイドになって欲しいです これからも頑張れ頑張れ(*゚▽゚*) (2019年10月13日 17時) (レス) id: b37b6d06e3 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 大阪さん» 分かりました!文ストキャラが夏目の世界に行く感じで良いですか? (2019年9月28日 8時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - 夏目友人帳とかの、妖怪が出てくる話とのコラボ、お願いします! (2019年9月28日 8時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - ソラさん» リクエスト ありがとぉぉおおお! (2019年9月24日 20時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まふ | 作成日時:2019年6月29日 20時

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