猫の金平糖 番外編的な物。[任務] ページ28
「…は?」
俺はそんな声を出した。
我乍ら情けない間抜けな声だが仕方が無い。
銃が重たくて持てないって…は?
「海季ちゃん…安全装置外して…無理、重たい」
…俺の頭は混乱のオンパレードだ。
「ホレ、外れた」
「有難う…」
…何だこの筋力の脆弱さは。
「…一寸待って、之無理だわ」
銃を引き摺る様に両手で持ちながら捕虜に近付いて行く。
「今度は如何した」
「海季ちゃん聞いて、銃が重すぎて狙いが定まらん」
…もう此奴本当に駄目かも知れない。
海季と言えば爆笑している。
「よ…ッと」
捕虜の頭に重そうに持ち上げて銃口を押し付けた。
「…ぅん?」
…この展開…真逆とは思うが、…
「…トリガーが引けない」
「…」
もう本当に此奴駄目だ。(確信)
と言うか此処まで殺されるのに手間取ると捕虜が可哀想だ。
「よい…しょッ!」
パァン。
乾いた銃声が捕虜室に響いた。
痙攣1つ起こさず捕虜は死亡。
何処を撃てばいいのかは理解して居るらしい。
そいつはゆっくりと振り返り、目を細めて嗤った。
俺ははっとして何も言えなくなった。
狂気が浮かんで消えた。
「…撃てた!トリガー引けた!」
…見間違いかも知れない。
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作者名:月霞銀樹 | 作成日時:2017年8月23日 16時