第六十七話:逆鱗 ページ33
雅への警戒を怠らずに後ろを振り向くと、中也は目を見張った。
部下達の手が、爛れている。
倒れ臥している黒服の側には、破壊された銃らしき物が転がっていた。
「以外と銃って、脆いですよねぇ」
「…何しやがった」
視線を雅に戻し、睨み付ける。
「探偵社に入ってから、異能力の制御がかなり利くように成りましてね。成長した姿を見ていただこうと」
「もう一度聞く。何しやがった？」
「…別に、爆薬を爆発させただけですよ。最近、視界に入った物は大抵操作できるので」
ほら、と雅が視線を降ろす。
「中也君、ナイフだ！」
「ッ!?ぐあっ、…」
首領の声に慌てて腰のナイフを見下ろしたときにはもう遅かった。
ナイフがドロリと溶けだし、腰に激痛が走る。
どうやら火傷しているらしい。
「くそっ…!!」
急いでナイフを外し、遠くへ放る。
無事だった部下が慌てて駆け寄り、処置を施し始めた。
「あ、甘味は口内に仕込んであるんです。最近だずぃーさんに教えて戴きました」
雅がニコニコ笑いながら、手当てされる中也を繁々と眺める。
「熱そうですねぇ」
「…いい趣味してやがんな」
「貴方達の弟子ですから。…あ、黒蜥蜴の皆さん、反撃はよした方が良いですよ。どうせ其処のかじーくん、檸檬爆弾持ってるんでしょ？」
黒蜥蜴は銃を下ろさない。
「爆発させちゃいましょうか。ちゅやさんや首領、かじーくんは無事かも知れませんが貴殿方は吹っ飛びますよ」
「てめえも巻き添えだろ」
「そうかも知れません。でも、多少は異能で抑えられますし、先程の組合との交戦で、もうすぐ近辺によしゃのさんが来ます。少しでも息があれば、僕は蘇生して貰えますね。…この手、離して戴けますか？」
中也がチラ、と視線だけで首領を伺った。
「離してあげなさい」
指示に従い、手を離す。
雅が赤くなった手首を擦る。
「で？みやちゃんの本当の用件は何だい？こんなリスクまで犯して、目的は口封じだけじゃ無いんだろう？」
「ええ、まぁ。ちょっとお願いがありまして」
ヒラヒラと手を降りながら、悪戯っぽく嗤う。
「今度の組合襲撃、僕も混ぜてください」
「…何故だね？」
「組合は、僕の逆鱗に触れました」
雅の顔から、笑みが消え失せる。
小さな身体から殺気が噴き出し、部下がビクリと身を震わせた。
だが、中也にはその殺気が自分達を通り越した『組合』へ向かっているのが判っていた。
「たにじゃきさんを傷付けた。賢治くんを傷付けた。敦君を傷付け、拐おうとしている」
抑揚のない声が、路地裏に響く。
「同じ目にあわせてやる」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ラッキーアイテム
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アイカ(プロフ) - アンケート、2で1です！更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 11時) (
レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
猫音@底辺(プロフ) - アンケート両方2ですかね。更新ファイトです！あ、もし落ちありになったら太宰さんがいいです。注文多くてすいません。これからも応援してます！ (2018年4月8日 16時) (レス) id: 4738577f15 (このIDを非表示/違反報告)
冷 - Q1:1 Q2:1…ですかね…。 (2018年4月4日 11時) (レス) id: 350a847f52 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(プロフ) - アンケートは両方�△任�願いします！ (2018年4月2日 19時) (レス) id: cdd9e80849 (このIDを非表示/違反報告)
デュラララ！！(プロフ) - アンケートの答えQ1が�，�Q2が�△播衂爾靴泙� (2018年4月2日 2時) (レス) id: 2688be90e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亂 | 作成日時：2017年2月19日 21時
