34. 最悪 ページ39
ある部屋の一室で少年は意識を取り戻していた
未だボーっとする頭で重い瞼を持ち上げる
鈴「ン、」
金子鈴は自身に巻きつけられた縄に顔を歪める
動くたびにキシキシと肌に食い込む縄の所為で少年の肌は皮膚が擦れ赤くなっていた
鈴「…此処、どこだろ…」
ポソっと呟きながら自由が利く首を持ち上げると、目の前には厭らしい笑みを顔に称える男が居た
鈴「はっ、」
あんた、誰…っ
鈴の驚愕したような顔にその男はニヤリと笑い鈴の頬を優しく撫でた
「可愛いね、君。ああ、怖がらなくていいンだよ??俺は君を殺しはしない。本当はあのブロンド髪の女を殺してマフィアの牽制を図ろうとしていたが、君の顔を見た瞬間、其れも如何でも良くなってしまった」
ペラペラと言葉を続ける男に鈴は薄気味悪さを感じ、顔を歪ませた
鈴「そんな事は如何でも良いよ。僕はあんたを知らないし、あんたに興味もないから。
それより、僕はAの所に居たはずだ。帰して…家に。
Aが待ってる、…ぐっ!?」
鈴がそう言うと同時に男は無表情で鈴の首を絞めた
「如何でも良い??そんな事ないだろう??
君は今から俺の物になるのに。それより、あの女の話はするンじゃない。
君は俺だけを見てれば良い。…分かったか??」
男は鈴から手を離す
鈴がゴホッと酸素を吸うように咳き込んだ
苦しそうに息を吐き、肩を上下する少年に男は頬を紅潮させる
「君はこんな顔も出来たンだね。良いものを見れたよ」
鈴は必死に息を整えながら目の前の変態をぐっと睨む
鈴「(この男は、Aを殺そうとしていたンだ…。そして、僕は今はこの変態の虜囚になった訳か…。最悪だ)」
Aは僕を助けに来てくれるのかな…
僕は如何なるンだろう…
最悪この変態に殺されるのかも…
最悪の事態を考えながらも逃げる算段を考えるが、窓もなく出入り口も一つしかないこの密室では少年が逃げる道も可能性もゼロに近い
男がそんな鈴にニコリと笑いかける
「ああ、大丈夫だよ。安心して。直ぐに君は俺を求める体になるから」
そう言って男が鈴の服に手をかけたその時だった
鈴「っ!!」
建物が大きく揺れ、ドンッと部屋の壁が吹き飛んだ
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おかか - 最後のページ見た時に「いくらでも評価してやんよ」って言った私は悪くない。(;・з・)~♪ (2017年1月6日 21時) (レス) id: b950937163 (このIDを非表示/違反報告)
沖縄県産マンゴー(プロフ) - 続編に行きますね〜ε-(´∀`; ) (2016年9月6日 15時) (レス) id: 527d7c6641 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - お話すごく面白かったです。更新を楽しみにしています。 (2016年7月5日 22時) (レス) id: ac12fbc69d (このIDを非表示/違反報告)
萌里(駄作者)(プロフ) - 佐久間 楓さん» その後中也にボコボコにされた萌里氏であった… (2016年6月24日 21時) (レス) id: ee5dbdbcba (このIDを非表示/違反報告)
佐久間 楓(プロフ) - 萌里(駄作者)さん» 激しく同意します♪ (2016年6月24日 16時) (携帯から) (レス) id: 273ed63bb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖縄県産マンゴー | 作成日時:2016年5月23日 5時