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20. 雲の向こう ページ25

日が傾き始めた頃、幾つかの影が歩道に写される









中也「食い終わった途端に寝るかよ普通…」









中也がある小さな少年を見て呆れたように呟く









A「今日は色々ありましたからねェ。疲れているンでしょう」









Aは織田作におぶられ、静かに寝息を立てる少年の頬をそっと撫でた









少年…鈴を愛おしそうに見るAに太宰が不思議そうな目で見る









太宰「先程から疑問に思っていたことがあるンだけどね??

  どうして君は鈴君をそんな目で見れるンだい??」









こう言っては鈴君にも君にも悪いけど…彼と君は赤の他人だ









血なんか繋がっちゃいないし、彼とは今日会ったばかりだ









なのに…









言葉を続けようとした太宰をAが見る








A「”何故、会ったばかりの鈴をそんなに信頼し、愛情を向けるのか??”


  …ですか??」









太宰「うん」









彼女は赤く染まった空を見上げる









A「一つ目の理由は…”彼”に似ていたからです」









太宰「もう一人の”金子 すゞ”かい??」









A「ええ」









太宰「ふーん…では二つ目は??」









A「二つ目は…」









『There is always light behind the clouds.



Do you know it??』









すゞの声が彼女の頭で反響する









A「ねぇ、太宰君。知っていましたか??

  雲の向こうはいつも青空が広がっているンです」









太宰「ん??」









A「でも、閉じ込められた世界ではそンな事を知ることさえ叶わない。

  だって知らないンですから。雲の向こうがあるってことも。雲の向こうの青空も」









すゞは…私に雲の向こう側を見せてくれた









彼の手を取らなければ知るはずもなかった世界









色んな景色…其処で生きる様々な人々…









全部…全部…すゞが私に見せてくれた世界だ









そして、すゞが与えてくれた全てが今の私を作っている









だから…









A「だから、鈴にも見せてあげたいンです。

  …すゞが私に見せてくれたように」









早く…早く鈴に教えてあげたい









雲の向こう側の世界がこんなにも美しいって事を









Aが楽しそうに笑みを浮かべた

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おかか - 最後のページ見た時に「いくらでも評価してやんよ」って言った私は悪くない。(;・з・)~♪ (2017年1月6日 21時) (レス) id: b950937163 (このIDを非表示/違反報告)
沖縄県産マンゴー(プロフ) - 続編に行きますね〜ε-(´∀`; ) (2016年9月6日 15時) (レス) id: 527d7c6641 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - お話すごく面白かったです。更新を楽しみにしています。 (2016年7月5日 22時) (レス) id: ac12fbc69d (このIDを非表示/違反報告)
萌里(駄作者)(プロフ) - 佐久間 楓さん» その後中也にボコボコにされた萌里氏であった… (2016年6月24日 21時) (レス) id: ee5dbdbcba (このIDを非表示/違反報告)
佐久間 楓(プロフ) - 萌里(駄作者)さん» 激しく同意します♪ (2016年6月24日 16時) (携帯から) (レス) id: 273ed63bb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖縄県産マンゴー | 作成日時:2016年5月23日 5時

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