7・乱す/玩具……* ページ8
遡って、一時間程前──
"楽しまなくてはね?"
そう耳元で囁いてあげれば、其れだけでぴくりと肩が跳ねる。四年前と相も変わらず、耳が弱いままのようだ。思わず笑いが零れた。
抵抗する身体を自販機の脇の裏路地へと引き摺り込む。
薄暗い中でも、彼女の顔に浮かぶ怯えと羞恥の色はかろうじて読み取ることが出来た。そんなに怯えなくても良いのに。
「……ちょっと痛いかもだけど」
「何云っ……ひ、あ……っ」
かぷり。小さい耳に軽く噛み付いた。
すぐにその唇からは淫らな声と熱い吐息が洩れる。どうやら人一倍敏感な感性をお持ちのようらしい。私の身体を押し退けようとする腕には、既に力が無い。
「芥川君の肩を持つ心算はないけれど──」
そんな反応されたら、止まらないよね。
未だに無意味な抵抗を続ける腕を、片手で纏めて壁に押し付ける。もう片方の手をワイシャツの釦に伸ばし……ぷちん、と外す。
顕になった白い胸元──芥川君が付けたであろう赤い印の横に歯を立てた。
「やっ……、痛っ……!やめて、くださっ……」
「うーん、一応首筋の印の横にも付けておこうかなー」
一ヶ所じゃ気付いて貰えないかもしれないし。そう思いながら首筋に顔を埋めて舌を這わせた。私の髪が触れてか、擽ったそうにその身が捩られる。
しかしワイシャツの中に手を入れ、脇腹を柔らかく指先でなぞると、身体はびくりと大きく震え、胸を反らせた。
ぴくり、ぴくり、びくり。
私の指先が動く度に、脳が蕩けるような甘い喘ぎ声と共に艶かしく身体が熱を帯びて跳ね上がる。
その乱れ様を見て、自然に口元が弧を描いた。
この様子を芥川君が知ったら、一体どんな反応をするだろうか。想像しただけで心が踊る。
彼女の印の横に付けられた、別の男による印を見たら。
彼女が別の男の指先で身体を弄ばれていると知ったら。
その相手が、君の尊敬する元上司様だと判れば、君はどんな反応をするんだろうね?
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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まかろん - いつになったら続きだすんですか? (2022年3月3日 18時) (レス) @page38 id: e90d3fb299 (このIDを非表示/違反報告)
村越 - 続き……続きが読みたいです!待ってます!! (2018年12月31日 1時) (レス) id: 221d19ed47 (このIDを非表示/違反報告)
なをりん - 茉莉(まつり)さん» ありがとうございます!私の書く文章から、そう云った感想を頂けるのは正に感無量です。伝えたいことをちゃんと拾って下さっているんだな、と思います。滞り気味ですが……どうか最後まで御贔屓ください! (2018年7月24日 23時) (レス) id: 1a2989d09e (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(まつり) - 何か無償に泣ける…更新がんばってください、楽しみにしてます…! (2018年7月21日 10時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
なをりん - デミオムさん» コメントありがとうございます!私は今年受験生なのですが、そんな温かいコメントにいつも遣る気を分けて頂いています!この作品もあと少しで完結です!最後まで御贔屓ください! (2018年5月21日 21時) (レス) id: 1a2989d09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なをりん | 作成日時:2017年7月12日 18時