検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:4,340 hit

壱・川底の太宰、太宰を知らず ページ2

窓から差し込む温かい光と、鳥の声で目が覚めました 。
また、命拾いをしてしまったようです。

どうやら自分の体はベッドの上に横たえられ、視界にいっぱいに白い天井が広がり、薬品の臭いがツンと鼻を突きます。
病院かしら、と体を起こそうとすると

「気がついたかい?」

若い男の声がしました
力を振り絞って首を傾けると、黒いベストを着て包帯を巻いた20才くらいの青年が目に入りました。

「ええ、死にぞこなったようで」

そう口にした瞬間、言い知れぬ恐怖が体を貫きました
ガバッとベッドから跳ね起き

「殺してください!」

そう叫びそうになりましたが
目眩と頭痛で惨めに布団に突っ伏してしまいました。

「動かないほうがいいよ、君は2日も眠っていたんだからね。死んだみたいに」

青年は心配そうに声をかけてくれました。
死んだみたいに。いいえ、僕は死んだんです。大切な人をたくさん殺して。

「.....ここはどこですか?」

弱々しく尋ねると

「ヨコハマの武装探偵社というところだよ」

横浜、懐かしい響きです。もう何年も行っていません。でも、何故そんなところに流れ着いたのか
私の心には違和感が残りました。

「助けていただきありがとうございます.....失礼ですがお名前は....」

とにかくこの青年と何か話さなければ。咄嗟に口を突いて出た言葉でした。
それが最悪の判断だとも気がつかずに。

「嗚呼、まだ言ってなかったか。私は太宰。太宰治だ。よろしく」

成る程、彼は太宰というのか。妙にキザったらしい名前だが僕の津軽訛りでも普通に発音できる。
太宰といえば菅原道真が無罪の罪で飛ばされた大宰府があったなしかし太宰とはどこかで聞いた事が




は?



「ええええええぇぇええええぇえ!?」

生きてきたなかで一番だらし無い叫び声だったと記憶します。
しかし、これが彼、もう一人の太宰との出会いだったのです。

そして、今日を境に日本文学史は少しずつ狂い始める

弐・文豪太宰、異能力を知る→←零・歴史の変わるプロローグ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.4/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
19人がお気に入り
設定タグ:文スト , 初投稿 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

澄江堂(プロフ) - 柚子の香さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2018年10月9日 20時) (レス) id: 71b66dc74a (このIDを非表示/違反報告)
柚子の香(プロフ) - すごく私の好きなやつです。文ストの文豪も、実際存在した文豪もどちらも良いですよね。更新頑張ってください! (2018年10月8日 16時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
澄江堂(プロフ) - まんじゅうねこさん» ありがとうございます!! (2018年9月23日 13時) (レス) id: bc398cc7f1 (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうねこ - あ、やばい。此れ絶対面白いやつ…と思って見たら案の定 面白くて笑ってしまいました。← (2018年9月23日 9時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
澄江堂(プロフ) - 白兎さん» ありがとうございます!つまらぬものですがどうぞ見てやってください (2018年9月21日 23時) (レス) id: bc398cc7f1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:澄江堂 | 作者ホームページ:https://www.youtube.com/channel/UCWwB5OsADZ66MrGbmLA4euQ  
作成日時:2018年9月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。