be with you *42 ページ18
名前)「はっ、はっ、はっ…」
まるで心臓が飛び出てしまいそうで、
私は胸をおさえて近くの木の幹に寄りかかって座る。
そのすぐあと、私の横を四年は組が走り抜けていったのが見えた。
A「(あ…タカ丸さんだ)」
タカ丸さんも列の最後のほうにいた。
すごいな…
次々にしたたり落ちる汗を手の甲でぬぐいながら、よろよろと立ちあがるも、
足の関節に、まるで力が入らない。
A「う゛、あ」
おまけにふくらはぎあたりが大きく腫れているようだ。
…これから毎日すこしずつ走らないと、
四年生にはおろか下級生にも追いつけない気が…。
そう思いながら、私は木の幹を手でつたって歩き出した。
A「はぁ、はぁ…」
忍術学園は…。
こっちか。
い組、ろ組、そしては組が通った時にできた、たくさんの足跡を目印にして、
私は複雑に入り組んだ裏山のなかを下山しようと歩く。
しかし、気が付けば足は震えて頭がもうろうとしてきた。
…おそらくこの寒さのせいだ。
寒い。寒すぎる。
私は落ち葉の上にぺたりと座り込んだ。
霜柱がさくさくと音を立てる。
A「・・・・。」
今頃ろ組のみんなはもう頂上にたどり着いている頃かな…。
私はかじかんだ手に真っ白い息をはくと、そのまま木の幹に寄りかかって、まぶたを閉じた。
――――――――――――――…
―――――――・・・
A、A、と
誰かが私を呼んでいる。
誰?
光の中、目を凝らす。
…乙鶴?
乙鶴なの?
私は走り出す。
さっき動かなかった足が、嘘のように軽い。
乙鶴と一緒に、
平成の時代に住んでいたときの、
懐かしい家族の姿も、そこにあった。
みんな、あの時のまんま。
けれど。
何故・・・。
何故、笑顔で私に向かって手を振りながら行ってしまうの…?
連れて行ってよ、私も…
一緒に。
まばゆい光に向かって、思いきり手を伸ばす。
待って――――――――――!
「A!」
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≪今日のラッキーアクション≫
今日1日は武闘派になるべし。勝ォーー負ーーーーーーーーッ!
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クラオタになった生まれたて - サラスティーさん» 嬉しいです( 〃▽〃)あ、タメで構いません! (2015年3月27日 11時) (携帯から) (レス) id: 079e5a0b02 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - クラスタになった生まれたてさん» クラスタになったんですか!(笑)そんな嬉しいこと言って頂いて・・・!是非、こんな私でよければ! (2015年3月26日 19時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
クラスタになった生まれたて - 綾部の細かい心理描写が可愛すぎる…楽しいです!!☆ヽ(▽⌒*)サラスティーさん、お友達になって頂けませんか!? (2015年3月26日 16時) (携帯から) (レス) id: 079e5a0b02 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - また生まれたてさん» 読みやすいだなんて嬉しいです!話運びが良い!?そんなお言葉は頂いたことないので幸せです! (2015年3月23日 19時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
サラスティー(プロフ) - 真夏の愛の夢さん» 嬉しいです!これからも文章力磨きます!(笑)頑張ります。 (2015年3月23日 19時) (レス) id: 74dfc3bef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サラスティー | 作成日時:2014年12月10日 1時