触った ページ28
貴「すると、今までいい子だった分、反動が来てさ。勿論、別に何があるってわけじゃないんだよ。父親も母親も今まで通りだし、私も家じゃ今まで通り、のつもりだけれど――ただ、言葉にならない気まずさみたいなものがあってな。そういうのは、どうしても、出て、残ってしまう。だから、結局、お互い気を遣っちゃうし、それに――」
弟。
二人の弟が。
――A姉ちゃんは、そんなことだから――
貴「そんなことだから、私は――いつまでたっても大人になれない、んだってさ。いつまでも大人になれない、子供のままだ――そうだ」
真「子供ですか」
八九寺は言う。
真「では、ぼくと同じです」
貴「……お前と一緒ってわけじゃないと思うけどな。身体ばっかでっかくなって、中身がそれについていってないって意味だろうから」
真「阿良々木さんはジェントルに対してかなり失礼なことを言いますね。これでもぼく、クラスではかなり発育のよい方です」
貴「確かに、なかなか立派なものを持っていたな」
真「はっ！？ 触りましたか！？ いつ触りました！？」
仰天した顔で眼を剝く八九寺。
しまった、口が滑っちゃった。
貴「えっと……取っ組み合いしたとき」
真「殴られたことよりショックです！」
八九寺は頭を抱えた。
本当にショックらしい。
貴「いや……別にわざとじゃないし、一瞬だけだし」
真「一瞬っ！？ 本当に本当ですかっ！？」
貴「ああ。三回くらいしか触れていない」
真「一瞬じゃありませんし、それ、二回目からはあきらかにわざとですっ」
貴「言いがかりだって。不幸な事故だったんだ」
真「ファーストタッチを奪われてしまいました！」
貴「ファーストタッチ……？」
最近はそんな言葉があるのか。
小学生は進んでいるなあ。
真「ファーストキスよりファーストタッチの方が先だなんて……八九寺真宵は、いやらしい男の子になってしまいましたっ」
貴「あっ。そうだ、八九寺くん。そう言えばすっかり忘れてたね、約束通り、お小遣いをあげよう」
真「このタイミングで言わないでくださいっ！」
頭を抱えたまま、服の中にアシナガバチでも入ったかのように、八九寺は身体中という身体中を悶えさせていた。
哀れだった。
貴「まあまあ、そう落ち込むなよ。ファーストキスがお母さんだったとかよりは、まだマシだって」
真「ものすごく普通のエピソードですっ」
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紗嵐(プロフ) - ５５位！？ ２１位も上がっている！ ありがとうございまーす！ (2013年7月26日 23時) (
レス) id: f9f03150e8 (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - なんと一気に７６位！？ 驚きです！ みなさんありがとー！ (2013年4月10日 23時) (レス) id: 402bad2a08 (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - あ、違ったｗｗ 「読んで」、だったｗｗ (2013年2月25日 21時) (レス) id: f9f03150e8 (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - なんと！ この小説、８９位だそうで！ ありがたいです！ 呼んでくれた人、ありがとー！ (2013年2月25日 21時) (レス) id: f9f03150e8 (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - 秀麗さん» 格好いいよね、どうにかしなきゃってところとかが特に (2012年3月23日 20時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗嵐 | 作成日時：2012年2月22日 22時
