検索窓
今日:14 hit、昨日:15 hit、合計:210,260 hit

カルテ35 ページ38






「楽しかった!あっくん有難うっ!」
「どういたしまして!」



ゲームセンターから出た後に人気の少ない道を散歩し、休憩がてら公園のベンチに座る2人。
シロにとって今まで見たことも無い物ばかりで興奮冷めやまない。




ぬいぐるみを抱きしめ、足を揺らすシロは楽しそうで敦も笑う。











Prrrrr............




敦の携帯が鳴る。相手は太宰。

「あっ、ちょっとゴメンね。」
「うん。」



シロから少し離れて電話を取る。


「もしもし、太宰さん?」
『やぁ敦君!今頃シロ君とデートを楽しんでいる頃だろう!』


太宰の言葉に敦は慌てて周りを見回す。
何故誰にも云ってないのに分かるのか。




「なっ、何の用ですか。イタズラなら切りますよ」
『実は私、死にかけて──────』
「成程おめでとうございます。」
『あああ待って!嘘!嘘だからっ!』






敦の塩対応に必死に止めにかかる太宰。
終了ボタンを押す前に太宰の言葉を聞いたので、何とか頼みの綱を繋げた。






「で?要件は何ですか?」
『実はねー、シロ君がいたあの研究所について少し分かったんだ。』
「…!本当ですか!?」
『勿論だよ敦君!乱歩さんの手にかかれば!』



得意気に云う太宰だが、電話越しに
「人の力でドヤ顔すんな」
という乱歩の声が聞こえた。




『それで、今からシロ君と一緒にあの研究所に来てくれないかな?私と国木田君も向かうから。』
「分かりました…少し時間かかると思いますけど。」
『構わないよ。今は…13:47か。昼ご飯は未だ何でしょ?私達も仕事の後に向かうから、そうだな…19:30に、研究所で。』
「了解です。それでは、亦後で。」
『あ、後…シロ君には云わないでね。それじゃあね〜』





太宰の呑気な声と共に通話が切られた。





「ねェあっくん、誰から?」


シロが可愛く首を傾げると、敦は笑顔になった。




「後で教えるよ。…ねぇシロ。」
「何?」
「昼ご飯、何が良い?」





「茶漬け!」



敦の質問にシロは無邪気に笑って答えた。

カルテ36→←カルテ34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (189 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
306人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。