カルテ35 ページ38
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「楽しかった!あっくん有難うっ!」
「どういたしまして!」
ゲームセンターから出た後に人気の少ない道を散歩し、休憩がてら公園のベンチに座る2人。
シロにとって今まで見たことも無い物ばかりで興奮冷めやまない。
ぬいぐるみを抱きしめ、足を揺らすシロは楽しそうで敦も笑う。
・
Prrrrr............
敦の携帯が鳴る。相手は太宰。
「あっ、ちょっとゴメンね。」
「うん。」
シロから少し離れて電話を取る。
「もしもし、太宰さん?」
『やぁ敦君!今頃シロ君とデートを楽しんでいる頃だろう!』
太宰の言葉に敦は慌てて周りを見回す。
何故誰にも云ってないのに分かるのか。
「なっ、何の用ですか。イタズラなら切りますよ」
『実は私、死にかけて──────』
「成程おめでとうございます。」
『あああ待って!嘘!嘘だからっ!』
敦の塩対応に必死に止めにかかる太宰。
終了ボタンを押す前に太宰の言葉を聞いたので、何とか頼みの綱を繋げた。
「で?要件は何ですか?」
『実はねー、シロ君がいたあの研究所について少し分かったんだ。』
「…!本当ですか!?」
『勿論だよ敦君!乱歩さんの手にかかれば!』
得意気に云う太宰だが、電話越しに
「人の力でドヤ顔すんな」
という乱歩の声が聞こえた。
『それで、今からシロ君と一緒にあの研究所に来てくれないかな?私と国木田君も向かうから。』
「分かりました…少し時間かかると思いますけど。」
『構わないよ。今は…13:47か。昼ご飯は未だ何でしょ?私達も仕事の後に向かうから、そうだな…19:30に、研究所で。』
「了解です。それでは、亦後で。」
『あ、後…シロ君には云わないでね。それじゃあね〜』
太宰の呑気な声と共に通話が切られた。
「ねェあっくん、誰から?」
シロが可愛く首を傾げると、敦は笑顔になった。
「後で教えるよ。…ねぇシロ。」
「何?」
「昼ご飯、何が良い?」
「茶漬け!」
敦の質問にシロは無邪気に笑って答えた。
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No.0 - 42話の敦くんの一人称が俺になっています。何か意図があって俺にしていたなら、すみません! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f53043040e (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - おもしろいです。続編希望です (2017年7月20日 5時) (レス) id: 84b7979bce (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんな遅くですが読んでて凄く楽しかったです!続編希望です!! (2017年3月19日 19時) (レス) id: bacc85789b (このIDを非表示/違反報告)
赤月 - 完結おめでとうございます!続編希望です! (2016年10月31日 16時) (レス) id: 196406772c (このIDを非表示/違反報告)
赤喰 - 完結おめでとうございます!続編作って欲しいです!! (2016年9月26日 23時) (レス) id: 63178f43ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十一葉(といちば)さん | 作成日時:2016年8月9日 17時